学費と生活費の足しに、月10万円の奨学金を借りたAさん
幼いころに父と母が離婚し、母と2人の家庭で育ったAさん。高校生のとき、生活の厳しさから希望する大学への進学をあきらめかけていました。しかし、担任から奨学金を利用する方法もあると助言を受けます。
そこで、JASSOの奨学金説明会に参加。母との生活費も考慮したうえで、最終的に自宅通学ながら月10万円を借りることに。借入は4年間で計480万円にのぼり、卒業後は毎月約2万3,000円を18年間かけて返済することになりました。
無事に大学を卒業して会社員になったAさんは、順調に返済を続けてきました。そんなAさんは結婚を前提にBさんと交際。30歳の時に彼女の両親に挨拶をしにいくことになったのです。
和やかな会話の中で、Bさんの父親が切り出しました。「念のためだけど、借金やギャンブルとかはしていないよね?」
Aさんは正直に答えます。「はい、もちろん借金はありません。ただ、奨学金を返済中です」
残債が約360万円あることも伝えました。するとBさんの両親の顔色が変わり、「そんなに? 奨学金といえども借金と同じだよ」と告げられたのです。
Aさんは焦りました。「返済は順調に続けていますし、生活にも影響ないです」と説明しましたが、その場は微妙な空気のまま解散となりました。
