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経営を危うくする“雇われ意識”
「店の都合で早く上がってもらったり、シフトを減らしてくださいと言いにくかったからです」
ほかにも、パートさんの事情に同情してシフトを増やしていたということもありました。それで人件費が売り上げの3割を超えてしまったら、店の経営そのものが危うくなってしまうということをまったく考えていないのです。
もちろん、店で働いてもらう大事な従業員ですから、個々の事情に同情したくなる気持ちもわからないわけではありません。でもそれで店が経営困難になったら元も子もありません。私は、なぜそんなこともわからずに従業員にいい顔をするのだろう、と考えました。
そうして問題は、自分は雇われ店長で、この店は自分のものではないという意識の低さにあるのだと気づいたのです。
全従業員に欠かせないコストの現実
この意識の低さは、雇われ店長だけの問題ではありません。
例えば、従業員が一枚3000円する店の皿を割ってしまったとします。すると店長にものすごく怒られます。その従業員は「ごめんなさい」と言うでしょう。でもその時になんでお皿を割ったくらいでこんなに怒られなくてはならないのかという気持ちがあると思います。その気持ちが問題なのです。
この割ってしまった3000円のお皿を買うために、お店がどのくらいの利益を出す必要があるかということを考えてほしいのです。売り上げに対して、原料3割、販売管理費3割、人件費3割がかかっています。そうすると3万円の売り上げがあって、初めて3000円の利益が出るわけです。割れたお皿はその利益から買うことになります。
店が3万円の売り上げを出すためには、前日に魚の発注をして、翌日店の掃除をし、魚の納品を受けて、粗仕込みし、直前仕込みをして、お客様に15品出して、ようやく3万円のお代がいただけるのです。
その時間と労力を考えてほしいのです。そこまで考えていたら「お皿割りました。ごめんなさい」で済むわけがないことくらいわかると思います。それが商売です。
そこまで従業員に求めるのはもしかしたら酷なことかもしれません。しかし経営者としては、そういう事実を知ったうえで仕事をしてほしいと思っています。そうすることで、店は利益を出すことができて、従業員の雇用が守られるのです。
