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組織的な育成支援
AI社会ではITエンジニアに求められる要件が変わります。ITに特化した専門的なスキル(テクニカルスキル)は引き続き重要で、生成AI分野のより高度な知見も求められ続けますが、それに加えて、ITエンジニア個人にも、彼らを雇用する企業にも、ノンテクニカルスキルであるヒューマンスキルとコンセプチュアルスキルを習得する重要性が増していきます。
ITエンジニア個人は、そのことを念頭において、これからどのようなスキルが重要かを選定し、計画的に習得していくためのキャリアパスを描かなければなりません。その考えがなければAIに仕事を奪われる側になり、AI社会で生き残ることができません。
企業も同様に、メンバーにどのようなスキルを習得してもらうかを計画し、それに基づいた採用、育成、組織づくりを通じてAI社会に適応させていくことが求められます。
雇用を例にすると、従来はテクニカルスキルに重点をおく傾向が強く、大学での学習履歴や他社での経験を採用条件として重視してきました。採用後の育成も同様に、技術力の向上を重視して社内外での研修プログラムを展開してきました。
しかし、今後はノンテクニカルスキルの習得も含めて採用と育成の取り組みを拡充していく必要があります。IT人材が減っているなかでは、テクニカルスキルとノンテクニカルスキルを両方持つ人は希少な存在です。人材不足は今後も続き、厳しくなっていくはずです。
そのため、人材戦略では、母数が少ない人材群のなかから優秀な人材を採用することも大事ですが、今いる人材の価値を高めていくことも採用以上に重要です。
つまりメンバーのノンテクニカルスキルを伸ばしていくこと、そのために個人のマインドを高めること、スキルの習得を組織的にフォローすることによって、メンバーの能力を最大化することがAI社会における企業の生命線になります。
正しい知識を正しい方法で習得する
まずは、学び手である個人が効果的にスキルを身につけるためのポイントです。メンバーに「コミュニケーション上手になろう」(ヒューマンスキル)、「創造性を高めよう」(コンセプチュアルスキル)と言っても、そのための具体的な方法が分からなければ学べません。重要なのは、これらのスキルを因数分解して、メンバーと組織の両方の視点で、何が足りないか、どこを伸ばしたいかを決めて、それを踏まえたスキル育成のプログラムに落とし込んでいくことです。
