大切なのは自分に合ったほうを選ぶこと
このように、大手企業と中小成長企業、2通りの育成方法を経験しましたが、自分には中小成長企業のやり方が合っているように感じられました。営業もオペレーションも、自分に合ったやり方をすることが大切だと考えていたため、マニュアルがなく自由度の高い中小成長企業のほうが向いていると感じたのです。
特に、営業職はサービスを売る仕事です。そのサービスに対し、相手がどれくらいのニーズを持っているか、サービスの良さがうまく伝わっているかを測るには、相手の目を見て話し、表情やしぐさから何を望んでいるかを探らなければなりません。
マニュアルどおりに「このサービスはいくらです。こんなことができます」と説明するだけが営業の仕事ではないのです。
私は中小成長企業の育成方針のもと、成果を出すにはどうすればいいか、とにかく自分の頭で考えて答えを出すスキルが身につきました。「計算の基礎である四則計算までは教えるが、その先の応用は自らの頭で考える」という中小成長企業の育成方針が、自分には合っていたのです。
大手企業の場合、部署の数が多く縦割りになっており、それぞれの役割が明確です。また、1人あたりが担当する仕事の量もほぼ決まっています。そのため、各役割に特化した教育をする必要があるのです。
また、長年にわたって蓄積したノウハウをマニュアル化して、画一的な教育に活かせるのも大手企業の強みです。
一方、中小成長企業は営業も経理も人事総務も、1人の社員が一手に担う場合があります。それぞれの役割の線引きが不明確で、画一的な教育を行うことが困難だという事情があります。
このように、企業規模や組織のあり方など、環境によって育成方針は大きく異なります。入社後のミスマッチにつながらないよう、どちらが自分に合っているかをしっかりと見極めることが大事です。
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