仕事への価値観を理解することでキャリアパスが見えてくる
自己分析をするうえでは、仕事に対する価値観も把握しておきたいものです。何のために働くか、何にやりがいを感じるか、何を達成したいのか。そういった価値観を理解することで、自分が望む働き方やキャリアパスが見えてきます。
仕事に対する価値観は、経験年数や自分がおかれているフェーズによって変わってきます。就職活動をしている就活生は、無垢な気持ちで働き方やキャリアパスを想像しています。
入社2年目くらいになると少しずつ社会人生活に慣れ、会社の事情が見えてくることで、学生時代とは違った価値観が形成されます。
入社10年目の中堅や15年目、20年目のベテランになると、結婚や出産、介護、社内での出世など、ライフステージにおけるさまざまな変化を経て考えが変化していきます。
就職活動中は、自分の夢や目標の実現のためにがむしゃらに働こうと思っていた人が、入社後、結婚と出産を経ることで家族との時間を重視するようになることがありますし、子どもの成長に伴い、出世して年収を上げたいと考えるようになることもあります。
私自身、就職活動中こそ「なんとなく内定がもらえれば」と過ごしてしまいましたが、その後コールセンター運営会社に契約社員として雇用されてからは、正社員になることを目標にがむしゃらに仕事をしました。
「仲間のために」という価値観
現在就職活動をしている人の中には、やりたいことが見つからず、何を仕事への価値観として考えたらいいか分からないという人もいると思います。そうした人に向けて、私は「仲間のために働く」という価値観を持とうと伝えています。
例えばものづくりの才能にたけた人がいて、その人には商才もあり、すでに商品を買いたいと言ってくれるお客様がたくさんいるとしたら、一人で商売を始められます。
けれども、多くの人は商品やサービスを売るために、会社という組織を作ります。
それぞれの個性を持った人たちが集まって、得意領域で能力を発揮することで、会社という乗り物が動いていきます。会社は社員一人ひとりの集合体で成り立つものであり、誰かが突然欠けてしまったら推進力が減退します。
社員一人ひとりが自分のために働き、仲間のためにも働く。相互にこの価値観を持って仕事ができれば、それぞれにとって居心地が良く働きがいのある職場を作ることができるはずです。
「仲間のために働く」という価値観は、ライフステージの変化に左右されることのない普遍的なものです。社会人経験のない学生から、入社直後の若手社員、中堅・ベテラン社員まで共通して持ち続けられます。
