面接では長所・短所を「ストーリー」にして語ろう
長所・短所を分析することは、自分に合った職種や就職先を探すうえで欠かせないことですが、面接対策としても重要です。私はこれまで、多くの学生から面接対策について相談され、アドバイスをしてきました。その中で、面接で長所・短所を語る際の内容の薄さが気になっていました。
面接官はたくさんの候補者を面接します。その中でインパクトを残すには、「見せ方」を工夫する必要があります。単に自分の長所や短所を並べるのでは、自分にはこんな「いいところ」「悪いところ」があるという事実を述べるだけに過ぎません。
そうでなく、「短所をこう克服しようとしている」「短所を克服したことで長所にした」というストーリーにして語ることで、そのプロセスまで見せることができます。
面接で長所を聞くとよく返ってくるのが、「積極性があります」という回答です。その中身は判で押したように、「部活で主将をやっていました」「サークルで率先してイベントの企画をしていました」というものです。部活の主将としてチームを全国大会に導いたのであれば、他者とは違った経験としてインパクトを残せます。
しかし、多くが「合宿を企画しました」「チームをまとめました」といった、主将になれば誰もが経験するような内容です。
それよりは、例えば「私はダンスが苦手です!」と、面接官に語りかけます。「踊れないことでこんな悔しい思いをしました」「そこでこんな工夫をして練習したことで踊れるようになりました」「この教訓を今後の人生にこう活かしていきたいです」といった、自分だけのオリジナルストーリーにして語れるほうが、面接官の心に残ります。
この方法であれば、学生時代に克服できなかった短所があったとしても、未来に向けて長所に変えていこうとする前向きなストーリーとして見せることができるのです。
「短所を克服したストーリー」はビジネスでも
このように、本来ネガティブである短所をポジティブに見せるスキルは、ビジネスをするうえでも欠かせません。ビジネスでは常に困難がつきまといます。簡単にクリアできることばかりではありませんし、失敗することもあります。
例えば、プレゼンに失敗して商談を失注してしまった場合、「できなかった」で終わるのではなく、その経験を活かして次はどうやったら成功できるかを考えることが重要です。面接官は、候補者から語られる「短所を克服したストーリー」から、困難を乗り越えられる人材かどうかを判断しているのです。
短所を克服したストーリーが見つからない人は、初めに列挙した長所を見てみるのがよいです。その長所は生まれながらのものなのか、あるいは、なんらかの弱点を克服したことで身についた長所なのかをそれぞれ振り返ってみることで、ストーリーが見つかるかもしれません。
