「自分らしく」働くために
就職活動を成功させるためには自分自身の価値観を知って、その価値観に合った企業を見つけることが、ミスマッチを生まないための重要なポイントです。
自分自身の価値観を知るには自己分析を行い、「自分らしさ」と向き合う必要があります。私は「自分らしさ」には2つあると考えています。1つは、現在の自分そのものが持つ自分らしさです。もう1つは、ありたい姿に近づくためにこれから作っていく、未来の自分らしさです。
以前私が支援した学生の中に、コンサルタントになりたいという人がいました。けれども、その学生の性格や考え方などを客観的に見たときに、あまりコンサルタントには向いていないように感じました。コンサルタントとして、「自分らしさ」を発揮して働くイメージが持てなかったのです。
このままではコンサルティングファームに採用されるのは難しいと伝えましたが、その学生は「絶対にコンサルタントになりたいです」と決意を変えません。
そこで私は、「現在の自分と、コンサルタントに必要な要素を備えた理想の自分とのギャップを理解しよう」とアドバイスしました。
現在の「自分らしさ」を理解したうえで、コンサルタントになった理想の自分が持つ「自分らしさ」を想像し、その差を埋めるために必要なスキルやマインドを身につけようと伝えたのです。
未来の「自分らしさ」
コンサルタントに必要な能力として、顧客や周囲のメンバーとのコミュニケーション能力や課題に気づける力などが挙げられます。
現在の「自分らしさ」を分析したとき、コミュニケーション能力であればどこが足りていないのか、課題に気づける力で欠けているのは何かを把握することで、自身の弱みの克服につなげられます。
たとえ就活時に弱みが克服しきれていなかったとしても、今の自分には何が足りていないか把握できており、その弱みをどんな方法で克服していくか、将来的にどんな自分らしさを身につけたいかを自分の言葉で語れる人は、面接官にとって魅力的に映ります。
このように、「自分らしさ」と向き合う際には現在の自分だけを見つめるのではなく、目標を達成するための理想の自分を作っていく過程も大切にしてほしいと思います。
