やりたいことがどうしても見つからない! ハードルを下げて「やりたくないこと」から考える
自分の短所と長所を理解し、どれだけ頭をひねって自己分析をしても、どうしてもやりたいことが見つからないこともあります。むしろ、「心からその仕事がしたい」と思うものを見つけられる学生のほうが圧倒的に少ないのが現状です。
世の中には、たくさんの業種・職種があります。その中から本当に自分に合った仕事を探すのは、砂漠の中から宝石を探し出すようなものです。まして、やりたいことが分からない状態だと、方向も分からないまま砂漠の中を闇雲にさまよい続けることになります。
その場合、やりたいこと探しのハードルを下げて、せめて進む方向だけでも照らすようにします。
やりたいこと探しのハードルを下げるには、「絞り込み」が有効です。総務省は「日本標準産業分類」の中で、製造業、建設業、情報通信業、飲食サービス業など業種を20のカテゴリに分類しています。また、厚生労働省が定める職業分類では、営業や事務、販売など職種を約1万8000種類に分けています。
例えば20ある業種の中から、10業種をピックアップします。その中からさらに上位5業種に絞り、次に3業種に絞ります。絞り方は、やってみたいもの、興味があるものを選び取るのではなく、「やりたくない」と思うものを消去する方法でも構いません。
業種を3つに絞ったら、それぞれの業種がどんな内容で、実際にどんな仕事をすることになるのか、世の中にどんな貢献をしているのか、業界研究をしていきます。同じように、営業や経理、マーケティングなど職種も絞り込んでいくことで、「やってみたいこと」を明らかにしていきます。
やりたくないことを消去法で消していくやり方は、ネガティブに感じる人もいると思います。しかし、「やりたくない」も自分の価値観に基づくものです。何よりこの方法に従えば、「やりたくないこと」が残らないため、失敗の確度を下げることができます。
「未来のありたい姿」を想像しよう
やりたいことが見つからない人はもう一つ、「プライベートでどうなっていたいか」から考えるのも有効です。自己分析の仕方でも同様の説明をしましたが、「未来のありたい姿」は仕事に関連することでなくても構いません。
例えば「500坪の邸宅を持ちたい」のであれば、日本有数の大企業の社長と同じくらいの年収を稼ぐ必要があります。
しかし、大企業に入社できたとしても、多くの社員の中から社長になれる人はたった1人です。確率論でいえば何十万分の1、かつ、そこに行き着くまでに血のにじむような努力と時間を必要とします。一方で、中小成長企業に入社し、自分の手で上場させることができれば、ストックオプションで望むだけの収入が得られるかもしれません。
このように、業種・職種を「やりたくないこと」から消去法で絞り込んだり、年収や職場環境、自身を成長させられるかどうかで判断したりと、自己分析から自分に合った仕事を選ぶ方法はさまざまです。
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