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問いの「深堀り」が実践されにくいワケ
コンセプチュアルスキルの2つ目の円は、物事を理解するための「考える」スキルです。
思考の角度を変えながら問いについて考察することで、課題の本質や、課題を解決する価値が見えやすくなります。
一つの問いは次の新たな問いを呼び、目の前の疑問を掘り下げていくことにつながります。例えば、「なぜこの業務は時間がかかるのか」を問いとした場合、その問いを出発点として、何に時間がかかっているのか、何分で終わるのが理想なのか、解決できないのはなぜか、解決できるのか、といった問いの連鎖が生まれます。
それはやがてビジネスの視点に結びつき、課題が解決したらどれくらい喜ばれるか、自分たちにとってはどのような利益になるか、事業化するためには何が足りないのかといったことを考えられるようになります。
問いの深掘りは、トヨタ自動車などでは「なぜなぜ分析」としてトラブルの再発防止策を考える手段として活用されています。なぜなぜ分析は、一つのトラブルについて5回のなぜを繰り返し、トラブルの真因を突き止め、根本的な解決策を見つけるプロセスです。
このような深掘りによって、根本的な解決策が見えやすくなり、顧客が気づいていない課題の真因まで突き止められることもあります。
問いを深掘りする重要性を認識できている人は多いのですが、実践できている人は少数です。その理由の一つは、企業も個人も早く結果を出すことが求められるためです。時間の制限がかかることによって問いが浅くなり、効果や価値の薄い解決策に飛びついてしまうケースが多いのです。
2つ目の理由は、深掘りの方法を知らないからです。問いを深掘りする思考の方向性は、ロジカルシンキング、ラテラルシンキング、クリティカルシンキングの3種があり、異なる角度から考えることによって課題の真因に近づいていくことができます。
しかし、企業では「課題を見つけよう」「顧客を喜ばせよう」と指示するだけで、そのためのアプローチ方法を説明しません。そのため、メンバーは「多分これで喜ぶだろう」「他社はこんなことで喜んでいるようだ」といった考察にとどまってしまうのです。
コンセプチュアルスキルの外側の円は、「答えを出す」スキルです。具体化のスキルといってもいいと思います。問いから発展した課題に対して、解決策を考えて実行したり、事業化するための戦略を立てたりするスキルがここに入ります。
これらのスキルは個人と企業の成長を生み出します。例えば、顧客の課題を解決すると、顧客からは信頼と利益を獲得できます。顧客が気づいていない課題を見つけ出せば、それが新しい事業に発展する可能性があります。
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