ストーリーを作るトレーニング
もう一つ、長所・短所をストーリーで語るための練習として、「無機質なものを褒めるトレーニング」があります。このトレーニングは、私が経営する会社の研修で実際に取り入れているものです。まず、何でもいいので無機質なものを1つ、対象に決めます。ここでは、オフィスに設置されているコピー機とします。コピー機に対して、ポジティブな面、ネガティブな面を客観的に挙げていきます。
以下がその一例です。
このように、物事の長所・短所を挙げ、特に短所についてどうすればより良い製品になるか、ストーリーを考える訓練をしています。
自分の長所と短所を理解しておけば、企業が知りたがっているその人の価値観や本質を伝える材料になります。新卒採用の面接では、面接官はその人がどんな思いを持って目標を実現していこうと考えているかを見ています。例えば、こんな質問があります。
「10年後にあなたがなっていたい『いちばんかっこいい姿』はどんな姿ですか?」
この質問に対し「技術のスペシャリストとして開発部門を率いる」「誰よりも多く営業ノルマを達成する」などと答えたとします。その回答に対し、さらに「なぜそうなりたいのか」「その目標を達成するために自分自身の価値をどう引き上げるか」「そこに行き着くまでにどんなステップを踏むか」と深掘りして聞くことで、面接官はその人の考えや思いの本質に迫っていきます。
このとき面接官は、就活生がどれだけロジカルに答えられるかは求めていません。あくまで、就活生がいかに10年後のありたい姿を設定し、そこから逆算して自分自身の成長ストーリーを描けているかどうかを重視しています。
未来に向けて自分がどうなっていきたいか、どんな質問をされても答えられるようにするために、自分の長所と短所をきちんと理解していなければなりません。「目標を実現するために、この長所を活かしたい」「実現に向けて自分にはこんな短所があるが、こんな工夫をすることで短所を克服したい」といったことが語れるように、自分の長所・短所をしっかり把握しておくことが大事です。
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