就職活動は社会へ一歩を踏み出す瞬間
現代は「多様性の時代」といわれるように、一人ひとりの個性を尊重し、さまざまな価値観を共有する社会になりつつあります。しかし、学生時代は特に、異質なものよりも同質なものと群れたがるものです。
学生のうちは、自分の価値観に合うものに対しては積極的に関わる一方で、合わないものにはあえて触れなくても良しとされてきました。しかし、社会に出れば、自分の価値観とは異質に感じるものに対しても、向き合っていかなければなりません。
また、自分で考え、行動し、責任を持つことが求められます。そうしたとき、自分の立ち位置に戸惑い、悩むこともあると思います。就職活動中はもちろん、特に社会に飛び込んで1年目、2年目の若手のうちは、壁にぶつかることも少なくありません。
私のもとにも、これまで経験したことのない悩みを抱え、相談に訪れる若者がたくさんいます。
そんなときアドバイスするのは、「クリアできそうなものを探して、まず1つ取り組んでみよう」ということです。このときあわせて伝えるのが、初めは「低いハードル」を設定することです。
最初から高望みして難易度の高いことに挑戦しようとすると、なかなかハードルを越えられず、挫折してしまいます。なるべく身近で、無理なく飛び越えられる低いハードルからスタートし、少しずつ難易度を高めていけばいいのです。
こうして小さな成功体験を積み重ねることで、「これもできそうだ」「あれもできるかもしれない」と自分に自信が持てるようになります。また、さまざまなハードルを乗り越える過程で、これまで気づけなかった新たな「自分らしさ」を発見できる可能性もあります。
就職活動は社会に向けた第一歩を踏み出すための準備期間です。さまざまなハードルを乗り越える過程では失敗することもあるはずです。けれども、一つクリアするたびに、自分で自分の背中を押せるようになっていくはずです。その経験はとても大切です。何よりも、人に教えられてではなく、自分で獲得した経験は、その後の困難を乗り越える力になります。
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