贅沢が老後を脅かす…72歳で失った大切なもの
Aさんが65歳を迎えた頃、貯蓄残高はなんと3,000万円を切るまでになっていました。さすがのAさんも「そろそろ生活を変えないと」と思いつつ、習慣化した出費は簡単に戻せません。
そして、さらに7年後。彼を待っていたのは健康の悪化でした。「食が最大の楽しみ」とグルメ生活を続けた結果、体重は25kg増。ついに糖尿病と診断されたのです。
以降は、外食や高カロリー食品はほぼ封印され、管理栄養士による食事指導に従い、毎日の自炊は野菜中心・塩分控えめ・糖質制限付き。運動も取り入れる必要があり、血糖値チェックや定期通院、薬の服用も欠かせません。
以前のように気ままに食べて楽しむ生活はなくなりました。高級スーパーやレストランでの買い物も、今では普通のスーパーでの値段チェックと栄養バランス優先の買い物に変わっています。また、血糖を下げる薬に加え、高血圧の薬も処方され、採血や検査なども重なれば、数万円が飛んでいきます。
すでに貯金は1,000万円を切り、節約せざるを得ない状況。1億円を手にしても、その使い方次第で老後の景色はまったく変わってしまう――そのことを、Aさんは身をもって思い知らされたのです。
「早くリタイアして60代で人生を楽しんだことは、間違ってなかったと思います。いい思い出がたくさんできました。ただ、健康に投資をしなかったことは大後悔です」
Aさんの所有する高級マンションとSUVは、売却すればまとまった資金に戻せます。しかし、それは同時に「夢を手放すこと」でもあります。
また、たとえ家や車を売却して資金を手に入れても、糖質制限の食事と通院が日常となった今では、普通の暮らしも叶いません。換金しても楽しめない――資産と人生の逆説に、Aさんは直面することになったのです。
老後を守るのは資産額の大きさではなく、計画的な使い方と健康という土台。Aさんの経験は、1億円という数字の安心感に隠れがちな、老後のリアルを物語っています。
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