その商品が稼ぐ力を表す「売上総利益」
1.売上総利益
黒「売上総利益とは、売上高から売上原価を差し引いたもので、『粗利(あらり)』とも呼ばれます。
『売上高』は、商品を販売したりサービスを提供したりといった、本業の売上によって得られる収益のことです。『売上原価』は、製造業であれば物を作るのにかかった費用で、小売業や卸売業だと物を仕入れるのにかかった費用、ということになります。サービス業の場合、売上原価は低くなる傾向にあります」
――たとえば小売業で、たくさん物を仕入れたけれど1つも売れなかった場合でも、仕入にかかった費用の全額を売上原価にすることができるんでしょうか?
黒「それはできません。その期の費用として計上できるのは、期中に売り上げた商品の仕入原価のみです」
――なるほど。売上原価は1年間に売り上げた分の金額だけが計上されるというわけですね。
黒「そのとおりです。まとめると、売上総利益は、売上の原価に対していくら利益を上乗せして販売したかがわかるため、その商品が稼ぐ力を表しているともいえます」
2.営業利益
黒「続いて営業利益は、1つ目の売上総利益から販売費及び一般管理費を差し引いて求めます。『販売費及び一般管理費』には、下記のように商売を行ううえで必要な費用のほとんどが計上されます。
・家賃
・従業員に支払う給料
・水道光熱費・通信費
・広告宣伝費
・旅費交通費
・減価償却費
言い換えれば、営業利益は『本業の利益』です」
――売上総利益がいくら大きくても、人件費や家賃が多いと、営業利益を残すことはできないということですね。
黒「そのとおりです。営業利益は『本業を営むうえでどれだけ効率のいい経営を行っているか』をチェックする非常に大切な指標です」
3.経常利益
黒「『けいつね』と略されることもある経常利益。これは、2つ目の営業利益に営業外収益をプラスし、営業外費用を引くことで算出されます。
『営業外収益』とは、企業が本業以外の活動で経常的に得ている収益のことで、受取利息や受取配当金などが該当します。また、『営業外費用』は、支払利息や社債利息などが該当します。
つまり、経常利益とは、本業での収益力に加えて、資産運用を行ったうえでの“会社全体で儲ける力”を表すのです」
――会社全体の儲ける力がわかるということは、結構大事な利益ですよね。
黒「そうなんです。実は経常利益は、銀行の融資を受ける際にも重要なポイントになってきます。融資を希望される場合は、経常利益がプラスになるように計画を立てていきましょう」
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