知ってた?…2018年創設の「はぐくみ基金」
――「はぐくみ基金」という退職金の積み立て制度が、あちこちで噂になってるみたいですね。
黒瀧氏(以下、黒)「はい。税金だけでなく社会保険料も減らせるので、従業員にも経営者にもメリットがある退職金積立制度として注目されているんですよ」
――社会保険料も減らせるんですか!
黒「そうなんです。また、はぐくみ基金は老後以外でも受け取れる場合があるなど、かなり使い勝手のいい制度だと思います」
――具体的には、どんな制度なんですか?
黒「『はぐくみ基金』は、正式名称を『福祉はぐくみ企業年金基金』といい、2018年に厚生労働大臣の認可を受けて設立された企業年金制度です。
実は、2023年10月にブランドがリニューアルされ、愛称が『はぐくみ基金』から『はぐくみ企業年金』になりました。『DB(確定給付企業年金)』に分類される制度ですので、それをわかりやすくするための愛称の変更かと思います。
いまのところ従来の名称のほうが浸透しておりますので、今回は『はぐくみ基金』に統一してお話していきますね。
はぐくみ基金は、2023年3月末時点で、加入事業所数は約1,100ヵ所、加入者数は約3万7,000人です」
――設立されて5年のわりに、加入者数はけっこう多いんですね!
黒「はい。もともとは福祉や保育などのエッセンシャルワーカーに向けて作られたものですが、基本的に職種や正規・非正規に関わらず加入することができます。
――職種は問わないということですね。
黒「この制度は、従業員が自身の給与から毎月お金を積み立てていって、自身で退職金を作っていくというものになります。
はぐくみ基金は、『選択制』を導入しており、従業員は、給与の一部を『はぐくみ基金』の掛金にして将来退職金で受け取るか、これまでどおり給与として受け取るかを選ぶことができるという仕組みになっています。
また、資産運用は大手保険会社に委託されるため、管理の手間などもかからず、投資の知識も不要です。
70歳未満まで加入可能で、「企業型DC」や「iDeCo」と併用もOK
黒「『はぐくみ基金』の加入年齢ですが、70歳未満まで加入できます。また、掛金については、従業員が『最小1,000円から給与の20%まで』のあいだで自由に選んで金額を設定でき、上限は100万円となっています。また、掛金の変更は年に2回可能です。
――いまじゃ70歳までバリバリ働いている人も多いですし、「70歳未満」はありがたいですね。掛金についても、給与が100万円の場合だと上限20万円ってことは、けっこう大きく掛けられますね! 「他の制度と併用可」と聞いたのですが、これはどういうことでしょうか?
黒「はい。はぐくみ基金は、『企業型DC』や『iDeCo』などと併用可能です。ただしその場合、他の制度で掛けられる上限が減ります。たとえば、はぐくみ基金に加入していると企業型DCの掛金は、最大2万7,500円となります。また、はぐくみ基金には役員も加入可能です。
――「中退共」だと役員は加入できないので、ここもポイントですね。
黒「また加入は任意ですので、積み立てるかどうかは従業員が選ぶことができます」
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