遺族年金「夫の年金の3/4」がもらえるのは専業主婦だけ?「共働き妻」が“対象外”になる、非情な年金格差【FPが解説】

遺族年金「夫の年金の3/4」がもらえるのは専業主婦だけ?「共働き妻」が“対象外”になる、非情な年金格差【FPが解説】
(※写真はイメージです/PIXTA)

遺族年金は、残された配偶者の生活を支える重要な制度ですが、誰もが想定通りに受け取れるわけではありません。故人の生前の働き方や夫婦の年齢構成、残された側の収入状況によっては、受給額が大きく変わります。本稿では、酒井富士子氏による著書『60分でわかる! 新・年金 超入門』(技術評論社)より、遺族年金における注意点について解説します。

ゴールドオンライン新書最新刊、Amazonにて好評発売中! 

『司法書士が全部教える 「一人一法人」時代の会社の作り方【基本編】』
加陽麻里布(著)+ゴールドオンライン (編集)

『富裕層が知っておきたい世界の税制【カリブ海、欧州編】』
矢内一好 (著)+ゴールドオンライン (編集)

『司法書士が全部教える 「一人一法人」時代の会社の作り方【実践編】』
加陽麻里布(著)+ゴールドオンライン (編集)

シリーズ既刊本も好評発売中 → 紹介ページはコチラ!

65歳以降の遺族年金は自営業だと受け取れない

65歳以上の自営業夫婦は遺族年金がもらえない

夫婦2人とも65歳になり、年金生活に入ると、遺族年金の仕組みを正しく理解しておくことが大切です。特に、自営業同士の夫婦(会社員や公務員としての勤務経験がなかった)は注意が必要です。

 

なぜなら、自営業者は厚生年金に加入していないため、老後に受け取れるのは原則として老齢基礎年金だけだからです。そして、遺族年金のうち「遺族基礎年金」は、18歳未満の子どもがいる遺族にしか支給されません。つまり、夫婦どちらかが65歳を過ぎて亡くなった場合、残された配偶者が高齢であっても、子どもがいなければ遺族基礎年金の対象外となるのです。

 

このため、自営業の高齢夫婦では、片方が亡くなっても、もう一方は遺族年金を一切受け取れないことになります。例えば、夫婦それぞれが月6万円ずつの老齢基礎年金を受給し、合わせて12万円で暮らしていた場合、片方が亡くなると、残された一人は月6万円だけで生活していかなければならないわけです。

 

一方、会社員だった夫が厚生年金に加入していた場合、その妻は夫の死亡後に「遺族厚生年金」を受け取ることができます。遺族厚生年金は、

 

1.夫の老齢厚生年金の4分の3

2.夫の老齢厚生年金の2分の1と妻の老齢厚生年金の2分の1の合算額

 

のうち、高い方が支給されます。例えば、夫の老齢厚生年金が月9万8,000円、妻の老齢厚生年金が1万4,000円の場合、前者の計算方法が有利となり、妻は約7万3,500円の遺族厚生年金を受け取れます。生活は多少厳しくなりますが、自営業家庭と比べると有利と言えます。

* 老齢厚生年金の報酬比例部分

65歳以上の妻が受け取れる遺族年金

■ 夫が自営業(国民年金の第1号被保険者)の場合

出典:『60分でわかる!新・年金超入門』(技術評論社)より抜粋
[図表1]夫が自営業(国民年金の第1号被保険者)の場合 出典:『60分でわかる!新・年金超入門』(技術評論社)より抜粋

 

■夫が会社員(厚生年金に25年以上加入)の場合

出典:『60分でわかる!新・年金超入門』(技術評論社)より抜粋
[図表2]夫が会社員(厚生年金に25年以上加入)の場合 出典:『60分でわかる!新・年金超入門』(技術評論社)より抜粋

 

〈まとめ〉

■65歳以上の自営業夫婦は遺族年金が受け取れないため要注意

■会社員世帯は遺族厚生年金で一定の支えを得られる

 

【12/18(木) 『モンゴル不動産セミナー』開催】

坪単価70万円は東南アジアの半額!! 都心で600万円台から購入可能な新築マンション

次ページ「加給年金」が招く、夫亡き後の収入激減リスク

※本連載は、酒井富士子氏による著書『60分でわかる! 新・年金 超入門』(技術評論社)より一部を抜粋・再編集したものです。

60分でわかる! 新・年金 超入門

60分でわかる! 新・年金 超入門

酒井 富士子

技術評論社

年金の今後と老後のマネー戦略をこの1冊で! 年金制度は、経済の変化、平均寿命の長期化、家族構成やライフスタイルの変化といったことを踏まえ、厚生労働省による財政検証結果をもとに定期的(5年ごと)に改正されます。財…

カインドネスシリーズを展開するハウスリンクホームの「資料請求」詳細はこちらです
川柳コンテストの詳細はコチラです アパート経営オンラインはこちらです。 富裕層のためのセミナー情報、詳細はこちらです 富裕層のための会員組織「カメハメハ倶楽部」の詳細はこちらです 不動産小口化商品の情報サイト「不動産小口化商品ナビ」はこちらです 特設サイト「社長・院長のためのDXナビ」はこちらです オリックス銀行が展開する不動産投資情報サイト「manabu不動産投資」はこちらです 一人でも多くの読者に学びの場を提供する情報サイト「話題の本.com」はこちらです THE GOLD ONLINEへの広告掲載について、詳細はこちらです

人気記事ランキング

  • デイリー
  • 週間
  • 月間

メルマガ会員登録者の
ご案内

メルマガ会員限定記事をお読みいただける他、新着記事の一覧をメールで配信。カメハメハ倶楽部主催の各種セミナー案内等、知的武装をし、行動するための情報を厳選してお届けします。

メルマガ登録