(※写真はイメージです/PIXTA)

「相続は争続」とも言われるほど、親の遺産を巡って兄弟姉妹間のトラブルに発展するケースが増えています。とくに、介護を担った子どもとそうでない兄弟との間で感情のもつれがこじれることは少なくありません。親の死後、相続手続きをきっかけに、それまで表に出なかった不満や価値観の違いが一気に噴き出すのです。

疲弊する日々…「相続は感情の問題」

「もう正直、姉妹で話すのも疲れました」

 

松岡さんは現在、家庭裁判所での調停手続きを進めています。書類の準備や説明のストレスに加え、姉妹とのやり取りで心が擦り切れそうになる日々が続いています。

 

「母の介護を頑張ったことが、こんなふうに自分を苦しめるなんて…。母が生きていたら、こんなことにはならなかったのにと思ってしまいます」

 

こうした事態を防ぐためには、生前の段階で「遺言書」を作成しておくことが非常に有効です。特に不動産が絡む場合は、誰に相続させるか明確に記すことで、遺された家族の争いを減らすことができます。

 

また、「介護した子が不利になりやすい」というのも相続の現実です。公平に見える法定相続分が、実際には「不公平」と感じられる原因となることもあります。

 

相続は、お金の問題というより、感情の問題とも言われます。だからこそ、「わが家は大丈夫」と思わず、事前に家族で話し合い、記録や意思表示を残すことが、何よりの“相続対策”になるのです。

 

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