疲弊する日々…「相続は感情の問題」
「もう正直、姉妹で話すのも疲れました」
松岡さんは現在、家庭裁判所での調停手続きを進めています。書類の準備や説明のストレスに加え、姉妹とのやり取りで心が擦り切れそうになる日々が続いています。
「母の介護を頑張ったことが、こんなふうに自分を苦しめるなんて…。母が生きていたら、こんなことにはならなかったのにと思ってしまいます」
こうした事態を防ぐためには、生前の段階で「遺言書」を作成しておくことが非常に有効です。特に不動産が絡む場合は、誰に相続させるか明確に記すことで、遺された家族の争いを減らすことができます。
また、「介護した子が不利になりやすい」というのも相続の現実です。公平に見える法定相続分が、実際には「不公平」と感じられる原因となることもあります。
相続は、お金の問題というより、感情の問題とも言われます。だからこそ、「わが家は大丈夫」と思わず、事前に家族で話し合い、記録や意思表示を残すことが、何よりの“相続対策”になるのです。
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