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日本の製造現場を元気に
現在、私たちの会社は、全国各地に27の営業拠点と12の製造拠点をもっています。
M&Aの積極的な取り組みによって製造拠点は着々と拡大し、8社目のM&Aは神奈川県藤沢市の会社だったので、従来の兵庫県・福岡県・長野県・愛知県・京都府・滋賀県に次いで、初めて関東エリアにものづくりの拠点ができました。
中核の事業で売上の8割を占める製造派遣事業の生産推進グループ社員は約1500人となり、平均年齢は32歳です。
現在、日本の製造派遣業界で働く人は約40万人ですから、私たちの会社の社員数はその0.38%にすぎません。まだ、業界の中で存在感を発揮するまでには至っていません。
もし社員数が1万人になれば2%を超えますから、それなりにインパクトをもった存在になれるかもしれません。いたずらに社員数を増やすことが目的ではありませんが、製造派遣で働くという世界を、もっとまっとうで楽しく、自分の人生もものづくりの世界も元気にしていける大きな可能性のあるものだということを、世の中に示していきたいと思っています。
わずか9年ほどの取り組みで、ゼロから約1500人の正社員が集まることになったのですから、可能性は非常に大きいと思います。製造業で働くことの価値を高め、生産推進グループを定着させ、世界に冠たる日本の製造業を一歩前に押し出す力になり、日本の製造現場を元気にしていきたいと思っています。
大きなことを言うと思われるかもしれませんが、私自身、初めからこういう考えがあって、それを実践してきたというわけではありません。派遣という形のなかで一生懸命働いている人が、もの扱いされて報われないという状況を変えたいと思ったことが、すべてのスタートでした。
私たちの会社から派遣されていく人が、今日は働いてよかった、楽しかった、明日も頑張ろうという気持ちで家路についてほしいと考えたのです。
そのために自分に何ができるかと考えました。
派遣先にいきなり「丁寧に扱ってください」「高い賃金を払ってください」と言っても派遣業界は誰も耳を傾けてくれません。ですから送り出す一人ひとりにしっかり寄り添い、胸を張って送り出せるようにするという方針を立てました。
それが正社員としての採用であり、生産推進グループです。
その結果、本当に少しずつですが「今度来たAさんはよくやってくれる」という評判になり、「一緒に来ているBさんもすばらしい」となり、「お宅の会社から来る人は、どの人もほかの派遣会社から来る人とは違うし、うちの正社員の働き手よりも優秀だと思うときもある」という高評価につながっていきました。
派遣先でより範囲の広い工程をすべて請け負うことになったり、追加の人員を求められたりすることが増え、さらに「次の機会もぜひ来てほしい」と頼まれることが増えました。
それらが積み重なり、Aさんが良い、Bさんが良いではなく、そういう人を派遣できる私たちの会社が良いという評価に変わっていったのです。
それは「生産推進グループのメンバーが粒ぞろい→三陽工業がいい→ほかの派遣会社より支払いが増えても価値がある→派遣元としての私たちの会社の収益が上がる→生産推進グループの待遇も上がる……」という好循環を生みます。それによってほかの製造派遣会社との良い意味での競争が生まれれば、製造派遣業界全体としてのレベルが上がり、業界全体が底上げされていきます。
さらには生産推進グループ社員がはつらつとして働くことで、派遣先企業の従業員にも良い刺激を与え、製造現場そのものが元気になっていく……私たちが日本のものづくりの力になり、その現場を変えていきたいと考えるようになりました。
井上 直之
三陽工業株式会社
代表取締役社長
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