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ダイヤモンドの生産国と取引
(1)主な生産国
ダイヤモンドの主要生産国は、ロシア、ボツワナ、カナダ、コンゴ民主共和国、オーストラリア、南アフリカで、アジアではインドが少量を産出します。ダイヤモンドは地質的に古い大地に産出するため、日本のような新しい国土には存在しません。
(2)市場構造
ダイヤモンド市場は、英国法人デビアス社(De Beers)が生産から流通まで広く関与しており、希少性維持のために流通量を調整しているといわれています。同社は19世紀後半に南アフリカで採掘を開始し、20世紀に組織を拡充して市場支配力を強めました。
(3)デビアス事件判決
英国の法人税における居住法人判定基準は「設立準拠法主義」ではなく、「管理支配地主義」が採用されています。代表的な判例がデビアス事件(De Beers Consolidated Mines Limited v. Howe, 5 TC 198[1906])です。
この事件では、法人の設立地(南アフリカ)ではなく、実際の経営管理の場所(英国ロンドン)を基準として居住性を判定すべきとされました。この判断は、1853年法第2条シェジュールDの規定だけでは明確でなかった基準を確立したものと評価されます。
ボツワナのダイヤモンド産業
デビアス事件では南アフリカが登場しますが、南アフリカのボツアナはダイヤモンド産業においては無視できません。
ボツワナは南アフリカの北に位置し、国土面積は日本の約1.5倍、人口は約240万人で牧畜業が盛んです。1967年のダイヤモンド発見以降、急速に経済発展を遂げ、現在では世界第2位の産出量を誇ります。量はロシアの半分程度ですが、品質の高さとデビアス所有鉱山の存在により、ダイヤモンド産業の中心的存在となっています。
キンバリー・プロセス証明制度
ダイヤモンド原石の輸出入には「外国為替及び外国貿易法」(外為法)に基づく手続きが必要です。輸出は経済産業大臣の承認が、輸入は税関での通関時確認が原則です。
2002年11月5日、スイス・インターラーケンで、不正取得ダイヤモンド原石(紛争ダイヤモンド)の国際取引を規制するためのキンバリー・プロセス証明制度が採択され、翌2003年1月から施行されました。制度では以下が義務付けられています。
- 輸出入時に、当該原石が制度に基づき取り扱われたことを証するキンバリー・プロセス証明書を添付すること
- 輸出入は密封容器で行うこと
- 制度非参加国との取引を行わないこと
ダイヤモンドと金の価格比較と税制
ダイヤモンド価格は上昇傾向にあり、金のような急激な変動は少ない傾向があります(ただし裸石の場合。宝飾品は対象外)。
金については、税務当局が地金取引での譲渡所得の申告漏れを把握したことから、支払調書制度が導入されました。1回200万円以上の国内取引が対象で、金・プラチナ地金の譲渡に関して支払調書の作成が義務付けられています(所得税法224条の6、所得税法施行令350条の7)。
一方、ダイヤモンドにはこうした制度はなく、金・銀と同様に関税は無税ですが、消費税は課税されます。
矢内一好
国際課税研究所首席研究員
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