(※写真はイメージです/PIXTA)

2025年7月1日、米上院で可決された「トランプ減税法」。わずか1票差という薄氷の綱渡りで成立したこの法律は、2017年税制改革で導入された法人税・所得税の減税措置を延長し、遺産税の生涯控除額も大幅に引き上げるものです。第2期トランプ政権が短期間で法案成立にこぎつけた背景には、第1期の税制改正で築いた土台と、議会での激しい駆け引きがありました。7月に『富裕層が知っておきたい世界の税制【大洋州、アジア・中東、アメリカ編】』を刊行した矢内一好氏が解説します。

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減税法成立までの経緯

2025年1月に第2期として就任したトランプ大統領は、同年5月に新たな法案「One Big Beautiful Bill Act(H.R.1、以下「減税法」)」を公表しました。まず印象的なのは、この法案が非常に短期間で作成されたことです。

 

歳入に関する法案は、本来、大統領が直接提案するものではなく、米国下院・上院で審議されたのち、大統領が署名して成立します。しかし今回の減税法は、大統領の発言が大きく報道されたため、あたかも大統領自ら提案したかのような印象が広まりました。

 

現行の内国歳入法は、1986年レーガン政権時代に成立した「租税改革法(Tax Reform Act、TRA)」です。TRAの成立には相応の時間を要しましたが、今回の減税法はなぜ短期間で提出できたのか。その答えは、トランプ政権第1期の税制改正まで遡ります。

 

第1期在任中の2017年12月22日、「2017年税制改革・雇用創出法(Tax Cuts and Jobs Act、以下「改正法」)」が成立し、2018年1月1日に施行されました(就任は2017年1月で、成立まで約1年)。この改正法は選挙公約を実現する画期的な内容であり、特に注目されたのは連邦法人税率の大幅引き下げです。2018年1月以降、法人税率は改正前の35%から21%に引き下げられ、州税等を含めた実効税率でも30%を下回る水準になりました。

 

また、改正法では個人所得税の最高税率引き下げも実施されました。米国の税収は個人所得税の比率が高く、法人税比率は相対的に低いのが特徴です。1986年TRAでは個人所得税率の引き下げが行き過ぎたため、翌1987年に修正が行われた経緯があります。

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