(※写真はイメージです/PIXTA)

印紙税は、契約書や領収書など特定の文書に課される日本独自の税制で、実は所得税よりも古い歴史を持っています。その起源は明治初期の租税制度改革にまでさかのぼり、海外でもオランダや英国をはじめ、香港やハワイなど多くの地域で類似の制度が存在します。本稿では、日本における印紙税の成立と変遷、さらに海外の事例や近年の動向を交えながら、その特徴と意義を概観します。

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相続税と印紙税

大西洋に位置する英領バミューダは、所得税・法人税のないタックスヘイブンですが、相続税が存在し、その納付方法として印紙税が用いられています。これは英国法の影響に加え、相続による財産移転に印紙を貼付する方式の簡便さが理由と考えられます。

 

2021年2月24日、香港政府は株式取引に課す印紙税を1993年以来初めて引き上げると発表しました。この影響で同日の香港株式市場は急落しています。

 

引き上げは新型コロナ対策支援の財源確保が目的で、税率は0.10%から0.13%に変更されました。香港の印紙税は、不動産の賃貸・売買・譲渡および株式譲渡に係る文書について課され、市場価格を基準とします。株式譲渡の場合、税率は譲渡価格の0.1%(改正後0.13%)ですが、企業グループ内の一定要件を満たす譲渡は免除されます。

ハワイの不動産譲渡税

ハワイには不動産を所有する日本居住者が多く、特に円高期に購入した物件を円安期に売却すると多額の為替差益が得られる場合があります。

 

ハワイ非居住者が不動産を譲渡する場合、米国連邦税のほか、州税として「ハワイ州不動産税法(HARPTA)」に基づき譲渡対価の7.25%が課税されます。

 

さらに、不動産取引に際しては「不動産譲渡税(Conveyance Tax)」が課され、これは所得に対する課税ではなく、印紙税と同様の性質を持つ間接税です。税率は取引金額によって異なり、低額の場合は0.125%、高額になると税率も上昇します。

 

 

 

矢内一好

国際課税研究所首席研究員

 

 

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