先週は、7月の米雇用統計と6月の毎月勤労統計に注目
先週は、7月の米雇用統計と6月の毎月勤労統計に注目しました(図表1)。
7月の米雇用統計では、非農業部門雇用者数が前月差+7.3万人と市場予想(同+10.5万人)を下回ったほか、過去2ヵ月分が計▲25.8万人下方修正されました(図表2)。今回の下方修正の大半は、速報値公表後に遅れて提出されたデータに雇用の悪化を示すものが含まれていたことによるもの(サンプル要因)です(図表3)。
公表元は、3ヵ月かけて対象企業からデータを収集し、全体像を把握しています。しかし、コロナ禍以降、初回の調査に回答する企業の割合は減少傾向にあり、特に6月分の回答率については初回(59.5%)と2回目(92.3%)に大きな乖離が生じています。
こうしたなかで、2回目に収集したデータに雇用の悪化を示すものが含まれたため、6月の雇用者数は速報値から大幅に下方修正されたと考えられます。この先も、初回の回答率が低い状況が継続すれば、雇用者数が修正されやすくなる点には注意が必要です。
6月の毎月勤労統計では、実質賃金が前年比▲1.3%と5月(同▲2.6%)からマイナス幅が縮小しました。夏季賞与の増加を主因に名目賃金(5月:前年比+1.46月:同+2.5%)の伸びが拡大したこと、実質化に用いる消費者物価指数が小幅に鈍化したことが実質賃金押し上げに寄与しました。
ただし、名目賃金のうち、春闘の影響を確認するうえで重要な一般労働者の所定内給与は、本系列が前年比+2.5%、共通事業所が同2.3%と、ともに前年同月の伸びを下回る結果となりました(図表4)。
所定内給与の伸びが鈍い要因として、①毎年1月に実施されるサンプル入れ替え、②中小企業の賃上げが鈍いことが考えられます。春闘の結果はすでにおおむね所定内給与に反映されているため、名目賃金の上振れは期待しにくく、実質賃金が増加基調になるかは物価の動向しだいとなります。
東京海上アセットマネジメント
※当レポートの閲覧に当たっては【ご留意事項】をご参照ください(見当たらない場合は関連記事『【米ドル円】東京海上アセットマネジメントが振り返る…8月初週の「世界経済」の動き』を参照)。
※本記事は東京海上アセットマネジメントの「TMAMマーケットウィークリー」の一部を抜粋し、THE GOLD ONLINE編集部が文章を一部改変しております。
※全文は「TMAMマーケットウィークリー」をご確認ください。
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