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EUからAppleへの制裁金と国家補助規制
2024年3月、EUの執行機関である欧州委員会は、Appleに対して18億ユーロ(約2,900億円)の制裁金を科すと発表しました。理由は、音楽ストリーミング配信市場における同社の支配的地位の乱用があったと判断したためです。
この「ストリーミング」とは、インターネット接続を利用し、動画や音楽をダウンロードしながら再生する方式を指します。
今回の制裁金は直接的には税務問題ではありませんが、欧州委員会は以前からEU機能条約第107条〜第109条に基づく国家補助規制違反の疑いでAppleなどを調査し、多額の返還請求を行ってきました。
欧州委員会による国家補助返還請求の事例
過去の主な処分は以下のとおりです。
- Amazon(対象国:ルクセンブルク、返還請求額:約2億5千万ユーロ、2017年)
- Apple(対象国:アイルランド、返還請求額:約130億ユーロ、2016年)
- Starbucks(対象国:オランダ、返還請求額:約2,000〜3,000万ユーロ、2015年)
特にAppleの事案は金額が突出しており、2016年8月30日、欧州委員会はアイルランド政府がAppleに与えてきた税優遇措置を「EU機能条約第107条第1項に規定する国家補助」にあたると認定し、利子を含め143億ユーロ(約1兆9,000億円)の返還を命じました。
