(※写真はイメージです/PIXTA)

芸能人やスポーツ選手といった高額所得者には、国境を越えた報酬と課税の複雑な問題が付きまといます。租税条約をめぐる解釈やタックスヘイブンの活用、さらには著名人による脱税事件は、国際税務の最前線を浮き彫りにします。メッシの脱税事件を通じて、その実態と課題を探ります。

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芸能人・スポーツ選手の所得の特徴

芸能人やスポーツ選手(以下「芸能人等」といいます)の所得には、短期間の滞在で高額の報酬を得るという特徴があります。中には、「税率の高い国では演奏しない」と噂される有名バンドもあるほどです。

 

租税条約には、芸能人等に対する課税に関する規定があり、彼らが報酬を得た国(役務の提供地)で課税されることが原則とされています。
 

所得源泉地国での租税回避

一時期、芸能人等による法人を利用した租税回避スキームが話題となりました。たとえば、芸能人等が親族を役員とする法人を設立し、自らはその法人の「使用人」として給与を受け取る形式を取るケースです。

 

租税条約には「給与所得」の規定の中に短期滞在者免税(いわゆる183日ルール)があります。これにより、滞在期間が短ければ滞在国での課税を免れることが可能です。また、その所得が「事業所得」に該当する場合でも、滞在国に恒久的施設(PE)がなければ免税となる解釈もあります。

 

しかし、このような租税回避行為を防止するため、租税条約には芸能人等に特有の規定があり、たとえば「使用人になりすます」などの手法による課税逃れは否認される設計となっています。
 

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