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気づけば800万円を失い…「恥ずかしい」
「最初は10万円だった。それが50万、100万と増えていって……」
父は、妻との老後のために貯めていた貯金のうち、なんと800万円をその女性に送っていました。ところが、ある日突然連絡は途絶え、アプリ上のアカウントも削除されたとのこと。そこでようやく、自分が詐欺に遭ったのだと気づいたと言います。
「恥ずかしくて警察にも相談できない。まさか、自分がこんな目に遭うなんて」
父は、涙で声を震わせながら俯きました。また、Aさんにとっても、信じがたい出来事でした。父は昔から押し売りや悪徳商法などに慎重で、「詐欺に引っかからないように」と母に何度も語っていた側の人間だったからです。
「父はそういうことに絶対に騙されないタイプだと思っていました。ですが、母を亡くし、友人や近所づきあいもなく孤独だったのでしょう。年を取って認知能力も少し弱くなっていたのかもしれません」
800万円という額は、年金暮らしの父にとっては大金です。通帳を見せてもらうと、1400万円ほどの残高がどんどん減っており、600万円を切る程度。年金も月15万円ほどあり、すぐに困る状況ではないのが不幸中の幸いですが、大切なお金を失い、精神的なショックはあまりに大きいといいます。
「800万円もあれば、介護になってもお前たちに迷惑をかけなかったのに」「何かあったら、この家を売ろうと思う。妻との思い出が詰まった家だけど……」
酷く落ち込む父に、Aさんは「真面目に生きてきた父を責められない。異変にもっと早く気づいていれば」と自責の念に駆られたといいます。
