「働いていても、ずっと“仮”のような不安感がある」
「毎日きっちり働いていますけど、貯金はゼロです。正直、何を楽しみに生きているんだろうと思う日もあります」
そう語るのは、関東地方在住の中澤信一さん(仮名・50歳)。流通系企業の倉庫で契約社員として働いており、月の手取りはおよそ17万円。賞与や退職金制度はありません。
勤務時間は朝9時から夕方5時半まで。週5日でフルタイム勤務ですが、社会保険料や税金が引かれ、手元に残るのは17万円前後。
「契約更新は半年ごとで、毎回“次も大丈夫かな”と不安がつきまといます。同年代の正社員が退職金の話をしていると、まったく別世界の話に思えてきます」
就職氷河期世代を含むこの年代では、望まずに非正規を続けてきた人も少なくありません。中澤さんはワンルームのアパートで一人暮らし。家賃は共益費込みで6万5,000円。
「家賃を払って、食費と光熱費で毎月使い切ります。車も持ってないし、外食もしない。でも、それでもギリギリ。風邪ひいたら終わりですよ」
手取り17万円の生活では、突発的な支出が“致命的”になることもあります。
「もう“老後のこと”は考えないようにしています」
「年金がいくらもらえるのかも正確には分かっていません。見ても不安になるだけだし……。正直、60歳以降のことは考えないようにしています」
「“若い頃もっと頑張っていれば”と言われることもあります。でも、面接を何十社も受けて全部落ちた時期もありました」
非正規雇用というだけで、信用・保障・将来設計の多くを奪われる現実。住宅ローンも組めず、結婚にも難しさを感じてきたといいます。
厚生労働省『就業構造基本調査』によれば、全就業者のうち非正規は31.6%。今や「正社員でない」ことは珍しくない社会になりつつあります。
しかし、制度設計や社会保障は「正社員モデル」を前提としたまま。中澤さんのように、長く働いていても老後の不安を抱えたままの人が増えています。
「働けているうちはまだいいんですよ。でも、体を壊したら終わりです」
貯金も、退職金も、支える人もいない――そんな状況で迎える老後。“自助努力”ではどうにもならない現実に、社会はどう応えるべきなのでしょうか。
\2月7日(土)-8日(日)限定配信/
調査官は重加算税をかけたがる
相続税の「税務調査」の実態と対処法
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