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人生の伴侶を失い、悲しみに沈む71歳父
「なぜ父のように真面目に生きてきた人が……本当に悔しい」。そう話すのは、40代会社員のAさん。Aさんの父(当時71歳)は、東京都内のマンションに一人で暮らしをしていました。
65歳で仕事を退職し、その後は近所の保育園に子どもを送迎するアルバイトを週3回。収入は年金と合わせて月30万円ほど。母との2人の生活を支えるには十分でした。
しかし、穏やかな日々は長くは続きません。父が67歳のとき、母にがんが見つかり、わずか数カ月で亡くなったのです。母を「妻であり親友」と呼んでいた父にとって、その死は想像を超えるショックだったようです。
「アルバイトも辞めて、家に引きこもっていたようで……。電話をかけても『元気だよ』としか言わない。何を話しても上の空で、心ここにあらずという感じでした」
Aさん自身は関西で暮らしており、妻と子どもと一緒に半年に1度帰省するのが精一杯。それでも「何かあったらいつでも連絡して」と父に念押ししていたといいます。
「趣味ができた」と笑顔が戻り……
ある夏の帰省時、玄関で出迎えてくれた父の姿に、Aさんは少し驚きました。口元には久しぶりに笑みが戻り、会話も軽やか。母のこと、ようやく乗り越えてくれたんだな……そう胸を撫で下ろしました。
聞けば、「体力も記憶力も落ちてきたように感じて、家にいるのが怖くなってな」とのこと。思い切って近所の麻雀教室に通い始めたのだそうです。若いころに嗜んでいた麻雀なら、すぐに打ち解けられるかもしれないと思ったそうで、頭を使うし、人と話すことができて気が紛れると語る父。
「無理して笑っているわけでもなさそうだったので、安心していました」
