「年収800万円あっても、詰み」〈コンロ火つけっぱなし・救急車連発〉親の老後に潰される“中年ひとりっ子”の叫び

「年収800万円あっても、詰み」〈コンロ火つけっぱなし・救急車連発〉親の老後に潰される“中年ひとりっ子”の叫び
(※写真はイメージです/PIXTA)

高齢化が進む日本では、親の介護や見守りが現役世代の生活に重くのしかかるケースが増えています。十分な収入や貯蓄があっても、時間的・精神的な負担は避けられず、「まだ大丈夫」と思っていた日常が、ある日突然揺らぐことも珍しくありません。介護は、誰にとっても他人事ではない問題です。

年収800万円男性「そろそろ限界かもしれない」

「そろそろ限界かもしれません」

 

そう語るのは、東京都内に住む松本さん(46歳・独身/仮名)。大手企業に勤務し、年収はボーナス込みで約800万円。都内で一人暮らしをしており、投資信託を含む金融資産は2,000万円を超えます。

 

一見、経済的に“勝ち組”に見える松本さん。けれど、彼の心には暗い影が差していました。

 

松本さんの両親はともに76歳。実家で二人暮らしをしており、いわゆる「団塊の世代」です。住宅ローンは完済済みで持ち家には住んでいますが、預貯金はほとんどなく、年金収入だけで暮らしています。

 

「老後の生活資金が不安だったので、“施設に入ってほしい”と提案したんです。金銭的な援助は僕が全部やるから、と。だけど、猛烈に怒られてしまって……。『施設に入るなんて、人間扱いされてない』とまで言われました」

 

しかし現実には、火の不始末やドアの閉め忘れ、緊急搬送──危機はすぐそばにあります。

 

「ドアが開けっ放しだったことが何度もあります。ガスの火がつきっぱなしのときもありました。最近は骨折や高熱で救急搬送されることも増えていて……親から“助けて”と電話がくれば、仕事を中断して駆けつけるしかないんです」

 

「このままでは仕事も続けられない。でも、事件が起きるまで誰も動かない。自分で全部背負うしかない──そう思うと、気が滅入ります」

 

仮に要介護認定が進めば、介護負担は一気に増す可能性があります。厚生労働省『2022年 国民生活基礎調査の概況』によれば、要介護4で「ほとんど終日」介護が必要と答えた割合は41.2%、要介護5では63.1%にのぼります。

 

「親はまだ要介護認定を受けていません。でも、そろそろ限界です」

入居施設の選択肢と“現実的なハードル”

介護施設と言っても、その種類はさまざまです。

 

●特別養護老人ホーム(特養):公的で費用は安いが、要介護3以上が原則。待機者が多く、入居は困難。

 

●認知症グループホーム:小規模で専門ケアが可能だが、要支援・要介護認定と認知症の診断が必要。

 

●有料老人ホーム・サ高住:比較的入居しやすいが、費用は月15〜30万円超の場合も。

 

「要介護認定がないと特養には入れません。だから民間施設も検討していますが、費用は月20万円前後。僕が出すしかありません。入居の選定や見学、契約まで、すべて一人で対応しています」

 

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