ヘッジFの円売りは先週一段落=トランプ政権の通貨政策と連携?
もう1つ注目されたのが、ヘッジファンド(以下ヘッジF)の取引を反映しているCFTC(米商品先物取引委員会)統計の投機筋の円ポジションが、先週はこのところ続いていた買い越し(米ドル売り越し)の縮小が止まったことです。ヘッジFの円買いポジションの縮小(円売り)には、円安が続くなかでの損益分岐点割れに伴う損失拡大の懸念があると考えられましたが、それが先週一段落したのはなぜでしょうか。
ヘッジFの取引には、トランプ政権の通貨政策が強く影響している可能性がありました。その意味では、先週ヘッジFが円売りを一段落したのは、150円の大台が迫るなかで円安を容認しないトランプ政権の考え方に連携した可能性もあったのではないでしょうか。
今週の米ドル/円予想レンジは146~151円
米ドル/円は、先週確認したように146円を大きく割れない限り、米ドル買い・円売りの根強い状況は続く可能性があるでしょう。ただこれまで見てきたように、日本の政治不安や財政赤字拡大の懸念を理由とした円売り継続にもおのずと限界がありそうだということ、またトランプ政権の通貨政策などから、ヘッジFが大量の円買いポジションの手じまいで円売り拡大に動く可能性が低そうだといった理由などから、米ドル高・円安の拡大余地も限られるのではないでしょうか。
今週は日米の金融政策などを材料に荒い値動きになる可能性はありますが、以上のようなことを踏まえると、米ドル/円は146~151円のレンジで想定したいと思います。
吉田 恒
マネックス証券
チーフ・FXコンサルタント兼マネックス・ユニバーシティFX学長
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