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グローバル化とエステートプランニング・ウェルスマネジメント
日本がグローバル化しているのは、周知の事実です。
グローバル化とは、資本や労働力の国境を越えた移動が活発化し、商品やサービスの取引や、海外への投資が増大することにより、国外との経済的な結びつきが深まることを意味します。
交通・通信の整備のほか、インターネットの発達により、グローバル化は急速化し、日本だけではなく世界中において、国境を越える人、財産の移転が活発化しているといえます。国境を越える人が増えれば、国際結婚という人の結びつきも増え、海外の財を持つ人も増えます。
人および財産の国際的な移動は、人や財産が、国内的な領域から渉外的な領域に踏み込むこととなるため、人や財産に関連して法律問題が生じた場合、法務的にはどこの国の法律が適用されるのかという問題が生じます。
さらに、人および財産の国際的な移動は、所得税・相続税・贈与税等の納税義務・課税対象にも大きく影響を与えます。住所を移転したり、国籍・永住権を喪失したりすることにより出国税が問題となる場合もあります。人および財産の移転は、法務および税務に大きな影響を与えるイベントとなります。
エステートプランニングとは、一般に死亡や判断能力の喪失に備えて財産の分配や承継計画の対策を行うことと考えられています。死亡や判断能力にとらわれず、ファミリーの主に財産に関する問題を大きくとらえてウェルスマネジメントということもあります。
グローバルに資産を分散保有する富裕層には、このエステートプランニングやウェルスマネジメントが重要となります。なぜなら、国境を越える人および財産の移転は、各国の法務・税務上大きな効果が生じる可能性があるため、富裕層の莫大な資産に致命的な影響を及ぼすことになりかねないからです。
一方、富裕層といえない場合であっても、グローバル化においてエステートプランニングは不可欠といえます。
というのも、たとえば米国等、相続の手続上プロベートが必要な国においてプロベートの対象となる財産を保有した日本居住の日本人が死亡しても、プロベートは回避することができず、その相続手続には想像以上のコストと時間がかかる場合があるからです。
遺産の金額によっては、相続税の対象資産であることから相続税を支払わなくてはならないにもかかわらず、回収にはコストがかかることから当該財産の取得を事実上あきらめざるを得ない事態も生じることは少なくありません。しかしながら、財産に見合った適切なエステートプランニングをしておけば、プロベートの手続をすることなく相続手続が可能となる場合もあるのです。
グローバル化においては、エステートプランニングやウェルスマネジメントは不可欠といえます。
