自動車株買い増しが投資家にとって「有利な賭け」といえるワケ
ここは石破首相の気概に賭けてみようではないか。「賭けるって何を?」なんて野暮なことは訊かないでくれ。株を買うに決まってるではないか。どうせ買うなら低迷が続いている自動車株がいい。
これは実はオッズのいい賭けである。なぜならダウンサイドはほとんどなく、うまくいけば大幅上昇となる。アップサイドに大きく比重が偏ったベットの機会だ。こういう非対称的な賭けのチャンスをプロのポーカー・プレーヤーは見逃さない。
これまでの交渉の経緯から日本政府に対する信頼も期待も高くない。先日示された25%の相互関税が8月1日にそのまま発動されても、「仕方ない」と市場は織り込み済みだろう。自動車の関税もまた然りだ。自動車株は市場全体の戻りについていけず低迷したままだ。したがって、石破首相の気概が空振りに終わっても、そもそも期待が高くないのだから株価もそれほど下げないだろう。
一方、土壇場での「逆転ホームラン」(陳腐な表現だが、相互関税もしくは自動車、あるいはその双方の税率が引き下がること)があれば株価は小躍りして上昇するだろう。
米国も日本の参院選の事情はわかっている。参院選の結果はおそらく与党の大敗に終わるだろう。そこから8月1日までの10日間、背水の陣で石破さんは米国と交渉するはずだ。それに賭けてみよう。この状況で日米通商交渉の好転に賭けて株を買うのは、ダウンサイドが限定的でアップサイドが大きい、投資家にとって有利なほうに歪んだ賭けなのだ。
そういうことだから、がんばれ! 石破首相!
広木 隆
マネックス証券株式会社
チーフ・ストラテジスト 執行役員
※本記事はマネックス証券 チーフ・ストラテジスト広木隆氏のストラテジーレポート『がんばれ!石破首相 オッズの良い賭け』を抜粋し、THE GOLD ONLINE編集部が本文を一部改変しております。また、投資による結果に編集部は一切責任を負いません。投資に関する決定は、自らの判断と責任により行っていただきますようお願いいたします。
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