外国人投資家は「参政党」をみている…今夏の参院選は「相場」が崩れる始まりの日、日本株に何が起きるか【ストラテジストが解説】

外国人投資家は「参政党」をみている…今夏の参院選は「相場」が崩れる始まりの日、日本株に何が起きるか【ストラテジストが解説】
(※写真はイメージです/PIXTA)

本記事は、マネックス証券株式会社が2025年7月7日に公開したレポートを転載したものです。

「与党の勝利=日本株買い」が定石だったが…

これまでは「選挙は買い」が相場の定石だった。正確にいうと、選挙で与党の勝利が株高につながってきた。

 

2012年末の第二次安倍政権誕生以降、ずっとマーケットは上がってきたのだ。選挙での与党勝利によって、アベノミクス的な政策の継続につながる期待が外国人の買いを呼び込んできた面がある。安倍政権後半では外国人は売り越しに転じたが、それは「今度こそ日本企業が変わる」と信じた期待が失望に変わったからだ。つまり、与党の勝利=アベノミクス継続=日本株買いの構図は基本的にはそのまま維持されてきた。

 

アベノミクス継続を好感したわけではないとしても、少なくとも与党勝利=日本の政治の安定=政策実行の確実性維持というのが株買いにつながってきたのだろう。

 

与党勝利がみえない今回の参院選後、株価は下落するのか?

では今回の参院選はどうか。どう考えても与党の勝利はみえない。では与党が敗北したら、株価は下落するのだろうか。必ずしもそうはならないと思う。

 

今回は負けても株高になるのではないか。負け方次第だろう。勝敗ラインとして挙げた過半数は16議席落としても維持できるが、果たしてどうか。

 

いずれにせよ大幅議席減はほぼ間違いないのだから、多かれ少なかれ石破首相の責任問題になるだろう。その場合、市場はポジティブに反応するのではないか。つまり「石破政権はなにもやってこなかった(に等しい)政権なので、そんな政権なら退陣してくれたほうがいい」――よって株価は上がるというシナリオだ。さらに石破政権退陣後にもっといいリーダーが出てくるかもしれないっていう期待が高まれば、上昇基調が強まるかもしれない。

 

しかし、上述のシナリオの実現性については、ちょっと難しいだろうなというのが正直なところだ。なぜなら、いまこれだけ難しい局面で石破首相の後を継ぐということは、まさに火中の栗を拾うようなものだからだ。だからまっとうな後継者が出てこない恐れがある。

 

よってぎりぎり過半数維持か、仮に過半数割れでも、結局、後任がいないために石破政権がダラダラ続いてしまう――それは最悪のシナリオだと思うが――それがメインシナリオではないか。それは株価に与える影響としてはニュートラルか、ややネガティブなものとなるだろう。

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