参政党が議席を伸ばすと…海外からの反応は?
今回の参院選の台風の目は参政党である。先日の都議会選挙でも躍進が目立った。日本経済新聞社とテレビ東京が27~29日に実施した世論調査で、参政党が日本維新の会を抜き野党第3党になった。参院選でも議席を伸ばすことが見込まれる。そのニュースが世界に報じられたとき、海外の投資家はどのように日本を捉えるだろうか。
ついに日本も「世界標準の民主国家」になったのか、と感じるだろう。「世界標準の民主国家」とは極右・右派ポピュリズム政党が勢いを増す国家である。その背景にはインフレや失業などの生活苦のフラストレーションを移民のせいにするような反グローバリズムの動きがある。
これまで日本は政治リスクはゼロとみられてきた。グローバル投資というコンテクストのなかで、日本は政治の安定だけが取り柄だったが、もはやそれもゼロ・リスクではなくなった。
参政党躍進の報に接する外国人投資家は、そこから日本の社会構造の微妙な変化を嗅ぎ取るだろう。日本株相場にとって、その影響はすぐには表れないだろうが、長期的には考慮すべきポイントが何点かある。
明らかなのはインバウンドへの影響である。いまのところ、右派の主張は、観光客を敵視するものではない。しかし、日本人の多くが実質賃金が上がらず物価高で消費をためらうのを横目に、外国人訪日客が高額消費をすることに対する嫉妬心などがたまり、そのネガティブな感情を取り込んで右派が伸びている面もあるだけに、今後はどうなるか予断を許さない。すでにオーバーツーリズムの問題も指摘されている。もっともな論点だが、過剰規制になってインバウンドの勢いを削ぐリスクには注意したい。
広木 隆
マネックス証券株式会社
チーフ・ストラテジスト 執行役員
※本記事はマネックス証券 チーフ・ストラテジスト広木隆氏のストラテジーレポート『今夏の参院選と株式市場』を抜粋し、THE GOLD ONLINE編集部が本文を一部改変しております。また、投資による結果に編集部は一切責任を負いません。投資に関する決定は、自らの判断と責任により行っていただきますようお願いいたします。
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