海外留学した“自慢の孫”のため4,000万円を援助した夫婦
―――なにかの間違いでは……教育資金は非課税と聞きましたよ!?
元教師の夫Aさん(76歳)と妻のBさん(73歳)。夫婦で月あたり約30万円の年金と約5,000万円の貯金があり、悠々自適な老後を満喫していました。
そんなふたりには、愛してやまない孫のCさんがいます。Cさんは夫婦に似て幼いころから学業に長けており、夫婦もそんな姿を見て「自慢の孫だ」と誇らしげに思っていました。
高校を卒業後、ストレートで難関私大に入学したCさんでしたが、どうも肌が合わずに数ヵ月で自主退学。
Cさんは「俺に日本は狭すぎる」と海外に目を向け、翌年から米国のとある名門大学に4年間留学することになりました。
愛する孫が海外留学すると知ったA夫婦は「高額な学費の助けになれば」と、学費を援助する名目で、計4,000万円を贈与したそうです。
そして、Cさんが海外の大学を卒業して帰国するとすぐ、安心したかのように夫Aさんが80歳で急逝。手順に沿って相続税の申告を済ませましたが、その2年後、妻Bさんのもとに税務署から「税務調査に伺いたい」との連絡が入りました。
孫のCさんに「追徴課税800万円」の悲劇
そして、調査当日。
調査官「Aさんは生前、海外のお孫さんにかなりの金額を送金されているようですね」
Bさん「ああ、それは孫が海外留学したものですから、教育資金として贈与したんです」
調査官「う~ん……。こちらCさん本人に確認したところ、贈与された4,000万円は、そのまま手つかずで預金してあるそうでして。残念ですが、こちらは贈与税の対象となるため、Cさんには追徴税を納めていただかなければなりませんね」
Bさん「いやいや、教育資金の名目で援助していたのだから、非課税でしょう!?」
妻の抵抗も虚しく、孫のCさんには贈与税の追徴税約800万円を課されたのでした。
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