毎月渡米しMLB観戦…夫の急逝後、妻に忍び寄る“税務署の影”
元経営者のAさんは、70歳で経営権を長男に譲って以降、時間ができたことでかねてから好きだった野球、特にメジャーリーグ(MLB)の観戦にどっぷりハマりました。
「大谷は最高だよ! 彼のおかげで引退後の生きがいができた!」と、MLBシーズン中は毎月渡米し、1週間ほど野球観戦を満喫。仕事漬けだった現役時代を取り戻すかのように、充実したセカンドライフを送っていました。
そんな贅沢な日々を過ごしていたAさん。引退時に1億5,000万円ほどあった預金はみるみる減少していき、たった3年で預金残高は約8,000万円まで減っていたそうです。
とはいえ、Aさんは野球観戦以外に大きなお金を使うことがなく、妻のBさん(72歳)は「これまで長年仕事を頑張ってきてくれたから」と夫の自由を尊重し、笑顔で見守っていました。
そんなAさんでしたが、74歳の誕生日を迎えてすぐ、心筋梗塞で急逝。悲しみに暮れたBさんですが、妻として気丈にふるまいます。
息子と夫が懇意にしていた税理士に相談のうえ、預金と自宅を相続。無事に相続税の申告を終え、なんとか日常を取り戻しました。
しかし……。せっかく取り戻した日常も、税務署からかかってきた“一本の電話”で崩壊してしまったのです。
日常を壊した税務署からの“一本の電話”
夫の死から約2年後、税務署から一本の電話が入りました。聞くと、税務調査に伺いたいとのこと。
「夫の相続財産はすべて申告しましたよ? まだなにかあるんですか?」
税務署からの突然の連絡に困惑するBさん。とはいえ、税務署に目をつけられても良いことなどありません。息子に迷惑をかけても困ります。
そのため、Bさんは税務署の言うとおり、息子とともに税務調査を受けることとなりました。
