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次女からのさらなるサプライズ
養育費と児童扶養手当を受け取ることができても、時短中の紀子さんの収入は手取りで月額13万円程度。子どもの教育費と家賃を支払うので手一杯です。ワンオペでの育児で精神的にも追い詰められてしまい、益子さん夫婦は毎朝夕、紀子さんの家を往復し、朝の支度と夕飯、お風呂の介助を夫婦で助けることに。
さらに、夕飯の買い出しや往復の交通費は益子さん夫婦が負担し、毎週土日は子どもたち一家が孫たちを連れて益子さん宅に集結。オードブルを用意するなど食費もかさみ、気が付けば預金残高はほぼ0円……。残るは70歳から受け取る予定の個人年金保険が600万円ほど、終身保険が解約返戻金で350万円ほどです。
紀子さんがフルタイムで復帰してくれればと思うところですが、そんなときにまた紀子さんから相談が……。
なんと、再婚したいと考えている人がいて、すでにお腹には子どもがいるとのこと。「相手はどんな人? やっと自分たちの負担が減るのか……?」不安と期待を持った益子さん夫婦でしたが、相手は寂しさからマッチングアプリで知り合った男性で、深夜営業の飲食店勤務、手取りは月額18万円程度で紀子さん親子を支える経済力は期待できず……。
「いったいいつになったら……」
そんな不安を抱えながら、少しでも収入を補填しようと、老体にムチ打ち夫婦でアルバイトを始めました。いつまで働けるかはわかりません。すでに腰痛、膝痛と、あちこちガタがきています。毎月の赤字を補填できなくなるのは、明日かもしれません。
子どもへの援助は計画的に
今回の益子さんのように、出戻りの子どもによって老後の生活設計が崩れてしまうケースは少なくありません。
特に、住宅ローンが問題になりやすいです。現在は火災保険料や諸経費を含めてフルローンで組むケースも多く、住宅を売却しても返済しきれないような場合も。また、夫婦片方だけの収入でローンを組むことができず、連帯債務で収入を合算してローンを組むことで離婚の際に今回のような問題が起きてしまうことも多いものです。
そして、大切な娘さんを助けるためですが、そのために自分たちの生活が立ち行かなくなってしまっては本末転倒ですね。あくまで本人たちの問題なのですから、離婚協議に時間はかかったとしても本人たちでしっかり決断させ、責任を取らせて下手に親が手を出さないことも必要です。
もちろん、まだ働けるのでしたら働いて収入を得て援助するのもよいでしょう。しかし、その判断をする前に収支がどの程度マイナスしそうなのかを事前に予測し、収支の計画を修正するために早めに手を打つ必要があります。現状の家計を把握し、自分たちが一生を終えるまでにどの程度援助してあげられる余力があるのかを考えましょう。預金残高が減り続けて不安になる前に行動することもできたかもしれません。
子どもに生活の支援が必要ならば、広いところに引っ越して同居して支えてあげるのも一つの選択肢となり得ます。いずれにしても、自分たちの生活設計を考え、娘に振り回されるのではなく、「できる援助の範囲」を決め、極力支出を抑えながら生活基盤を作っていくために最適な関わり方を決めておくことが必要です。
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