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「月20万円」で済むはずが…
「これからは穏やかな毎日を過ごしてほしい」そう願って始まった義男さんの施設生活。しかし、入居から半年後、施設内で転倒し、軽度の骨折を負ってしまいます。この事故をきっかけにトイレ・入浴などの介助が必要となり、要介護1の認定を受けることになりました。
ここから、義男さんの生活費は想定を超えて膨らんでいくことになります。
自立状態での入居時には、入居一時金210万円(前払い家賃)と月額利用料20万円(家賃・管理費・食費・光熱費込み)でした。実は年金14万円では当初から月6万円の不足でしたが、施設選びを急いでしまい、「そう長くは生きないだろう」と軽く考えていました。
ところが要介護認定を受けたことで、新たな費用が加わるようになりました。追加で発生したのは、以下のような費用です。
・入浴介助などの介護サービス費(介護保険1割負担分)
・オムツなどの介護用品の購入費
・歩行器など福祉用具のレンタル費用
・医療費や通院時の送迎・付き添い費
・施設内でのリハビリ加算費
これらを合計すると、月額3〜4万円の追加負担となり、実質的な支出は月23〜24万円に膨らみました。当初の月6万円の不足から、一気に月9〜10万円の赤字となったのです。
義男さんの年金収入は月14万円。差額を貯金から取り崩しての対応となり、「あと2年もすれば、貯金が尽きる……」と計算した直子さんは、背筋が寒くなる思いでした。
直子さんのために必死で働き、学費を工面し、女子大まで進学させてくれた父。その父に生活費が出せないとはとてもいえません。しかし、自身も老後資金に余裕があるとはいえず、「親の老後が、自分の老後破産の引き金になる」という現実を突きつけられることになったのです。

