(※写真はイメージです/PIXTA)

一人暮らしが難しくなった親が老人ホームに入居することは、多くの子にとって大きな安心をもたらすでしょう。しかし、入居できれば安心、というわけにはいかないようです。入居後に予期せぬ出費が重なり、やがて親世代だけでなく、その生活を支える子世代にとっても、自身の老後資金に影響を与えかねないという厳しい現実に直面するケースは少なくありません。本記事では、村山義男さん(仮名)の事例とともに親子の老後資金を守るための選択肢について、合同会社エミタメの代表を務めるFPの三原由紀氏が解説します。※相談事例は本人の許諾を得てプライバシーのため一部脚色しています。

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想定外の支出に苦しむなか、ようやく見えた「光明」

支出の増加、貯金の減少、そして将来への不安。精神的にも追い詰められた直子さんは、地域包括支援センターに相談し、ファイナンシャルプランナーの助言も受けるなかで、ひとつの突破口が浮上します。それは、父が住んでいた自宅を「リバースモーゲージ」で活用するという選択肢でした。

 

リバースモーゲージとは、高齢者が自宅を担保に金融機関から融資を受け、死亡後に物件を売却して返済する制度です。義男さんの自宅は、妻の実家兼店舗だった家をリフォームしたもので、都内の住宅地という立地のよさから、金融機関の評価でリバースモーゲージ対象物件として条件をクリアしました。

 

金利上昇や不動産価格下落などのリスクはあるものの、親子で話し合った結果、月々8万円を受け取る契約を締結。これにより月々の不足分をほぼカバーでき、直子さんは「将来への安心」を得ることができました。

 

「親が自立して施設に入るなら安心」と思っていたはずが、老後の暮らしには想定外がつきものです。しかし、直子さんのケースが示すように、情報を集め、制度を使いこなせば、老後破産は防ぐことができます。重要なのは、資産を死蔵させず、活かすという視点です。

 

直子さんは、父を支えながらも、自分の人生も守る道を見つけました。それは、「無理をしない介護」と「柔軟な資産活用」を知ったからこそ可能になった選択だったのです。

 

 

三原 由紀

合同会社エミタメ

代表

 

 

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