「大学4年間」を超える可能性も? 教育費の現実
子育ての中でも、最も大きな割合を占めるのが教育費です。実際にどれくらいかかるのでしょうか。
文部科学省の「令和3年度子供の学習費調査」などをもとに日本政策金融公庫が試算したシミュレーションによると、幼稚園から大学まで全て公立の場合の教育費は約822.5万円。一方、すべて私立で進んだ場合は約2307.5万円にのぼります。
実際には、高校までは公立を選ぶ家庭が多いものの、大学は7割以上が私立に進学すると言われています。したがって、大学の入学費用や授業料の準備は避けて通れません。
また、文系より理系のほうが学費が高額になる傾向があり、子どもの進路によって教育費の差も大きくなります。さらに、ひとり暮らしをする場合は、毎月の仕送りも必要となり、家計の負担は一層重くなります。
ここで注意したいのが、大学4年間で学びを終えないケースの存在です。文部科学省の「令和5年度学校基本調査」によれば、大学(学部)卒業者のうち約12.5%が大学院の修士課程に進学しています。さらに修士課程修了者のうち約10%が博士課程に進むというデータもあります。
つまり、大学を卒業しても1割以上は修士課程へ進み、その中からさらに博士課程に進む学生も一定数いるのです。
進学ではなく「留年」という選択肢もあります。単位不足による留年はもちろん、Aさんの例のように就職活動のためにあえて留年するケースも少なくありません。留年した場合、在籍料、施設費、単位不足であれば授業料などの支払いが必要となり、当然ながら教育費が増加します。ひとり暮らしをしている場合、生活費の補助も長引く可能性があります。
このほか、大学にストレートに入学せず「浪人」をするケースもあるでしょう。こうした点は、家計の計画において見逃せないポイントです。Aさんのように、親としてどこまで支援すべきか悩む家庭は多いでしょう。
しかし、「子どものため」「親の責任」として無理に負担を続ければ、自分たちの老後資金など大切な資金が圧迫されるリスクもあります。教育費はもちろん大切ですが、自分たちの生活や将来の安心も考えながら、どこかで線を引き、冷静に判断することが必要と言えそうです。
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