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人口自然減91万人超、静かに縮小し消滅へと向かう日本
出生数の激減と死亡数の増加。この二つの要因が組み合わさることで、日本の人口は凄まじい勢いで自然減少しています。令和6年の自然増減数は、マイナス91万9,237人 。前年からさらに7万0,509人も減少幅が拡大し、18年連続の減少、そして過去最大の減少幅という、破滅的な記録を更新しました 。この数字は、一年間で鳥取県や高知県の人口に匹敵する規模の人々が、この国から「消滅」したことを意味します。そして、この人口減少は全国すべての都道府県で進行しています。
国家の存立基盤そのものが根底から揺らいでいるなか、労働力の喪失は経済成長を阻害し、国内市場の縮小は企業の活力を奪います。税収は減少し、社会インフラの維持はますます困難になるでしょう。特に地方においては、集落の消滅、生活サービスの崩壊が現実のものとなりつつあります。このままでは、日本という国家そのものが、静かに、しかし確実に縮小し、やがては国際社会のなかで埋没してしまう未来すら否定できないのです。
婚姻件数が一時的に48万5,063組へと増加したことや 、離婚件数が18万5,895組へと増加したことなど 、家族形態の変化を示すデータもありますが、これらは少子高齢化という大きなうねりのなかで見れば、もはや些末な変動にすぎません。晩婚化を示す平均初婚年齢(夫31.1歳、妻29.8歳) も、根本的な人口動態の危機を覆い隠すことはできないでしょう。
令和6年の人口動態統計を紐解くと、あまりにも過酷な日本の未来が見えてきました。しかし、目を背けていては、事態は悪化の一途をたどるばかり。少子高齢化と人口減少はもはや有事であり、この国に生きるすべての世代が当事者意識を持って立ち向かうべき、喫緊の課題といえるでしょう。
もはや小手先の対策や弥縫策では、この国難を乗り越えることはできません。今こそ、社会のあり方、経済システム、そして私たち一人ひとりの生き方そのものを見つめ直し、大胆かつ実効性のある国家的な行動が求められています。
[参考資料]
厚生労働省『令和6年(2024年)の人口動態統計(概数)』
