税務調査から逃げ切った前例はある?
税務調査から逃げ切るのは難しいのが現実です。税務調査自体、正当な理由がなければ拒否することはできず、もし正当な理由もなく拒否した場合は、次のような罰則の対象となります。
1年以下の懲役もしくは50万円以下の罰金
税務調査を拒否すると、1年以下の懲役もしくは50万円以下の罰金という罰則が国税通則法という法律で定められています。
法律で定める罰則の対象ということは、税務調査を拒否して有罪となれば、前科がついてしまうことを意味します。
前科がついてしまうと、各地方自治体や公的機関のデータベースに記録され、就職や資格取得、各種ローン審査など、さまざまな場面で社会的な制約を受ける可能性があるでしょう。
罰金自体は比較的軽微とはいえ、前科がつけばそのあとの仕事や家族にも影響が及ぶ可能性があります。
任意調査でも拒否すれば罰則対象となる
税務調査には、強制的に実施される「強制調査」と原則的に事前通知を受けて協力するかたちで実施される「任意調査」の2つに分けられます。
強制調査は何の前触れもなく裁判所の令状をもって強制的に調査されるため、拒否することは不可能です。調査が入ることが原則的に事前通知される任意調査は正当な理由があれば拒否できますが、前述のとおり正当な理由もなく拒否をすれば罰則の対象となります。任意調査は「任意」とされているものの、実際には間接的に強制される調査であるといえるでしょう。
なお、税務調査を拒否するだけでなく、調査中に噓をつく、事実の隠ぺいや証拠書類を提出しないといったことは調査の妨害とみなされた場合、同じく罰則の対象となるため注意が必要です。
税務調査では何年分調べられる?
税務調査では基本的に過去3年分の申告内容が調査の対象となります。ただし、調査の過程で、申告漏れや不正の疑いなどが見つかった場合は、5~7年分までさかのぼって調べられることもあります。そのため、決算書や領収書、請求書などの書類関係は最低でも7年間保存しておくと安心です。
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