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テレワークで進む「働き方」の変化と「デジタル化」
テレワークは、「働き方」にしか過ぎません。しかし、個人の働き方が大きく変われば、企業が変わり、そして、社会も変わります。個人が自らの仕事効率を高めることで、企業全体の生産性が向上し、結果として、国の経済を活性化させます。
また、「働き方」だけでなく、テレワークで「デジタル化」が進むことも、この変化に大きく寄与します。情報の伝達・共有により、今後はあらゆる組織構造が進化するのではと、私は考えています。これまで、口頭や対面、書面を前提に構築されていた組織のコミュニケーションが、会社全体でデジタル化されたことで、時間がかかっていた合意形成のプロセスが不要になります。
以前、社員1人ひとりがフラットに働く組織が注目されましたが、それとは少し違います。著書で繰り返してきたように、日本はチームで仕事をすることがベースにあります。
これを、無理やり個人ベースに移すのではなく、チームを大切にしつつ、スマートな組織体系にすることが、「日本型テレワーク」の最終ゴールであると考えます。
これまでピラミッドが高かった組織が、情報の伝達・共有がデジタル化されたことで低くなり、組織自体がスマートになるというイメージです。多くの組織がスマートになれば、企業・働く人・社会の「余白」が生まれ、ウェルビーイングな社会の実現が可能になります。
オフィスは「プレミアム」な場所に
テレワークが当たり前になると、オフィスが変わります。これまで、オフィスは、社員全員が集まる場所でした。「会社」を「会う社(やしろ)」と書くのは、まさにそのとおりでした。しかし、テレワークをする人が増えれば、社員全員分の机と椅子、事務用品などを揃える必要はありません。
社員はそれぞれ、今、最も高いパフォーマンスで働ける場所で仕事をしています。そのなかで、これからのオフィスは「プレミアム」な場へと進化します。仲間と会えるプレミアムな場所、お客さまに製品をじっくりご紹介できるプレミアムな場所、最新の設備が揃うプレミアムな場所、あるいはランチを無料で食べることができるプレミアムな場所かもしれません。
オフィスの設備も大きく変わるでしょう。コミュニケーションを深めるためのオープンなスペースがあり、端には、オンライン会議のための防音個室がズラリと並んでいるかもしれません。カフェテラスやレストランが、食事をしながら雑談をしやすいレイアウトになっているかもしれません。テレワークだからといって、オフィスがなくなるのではなく、より魅力的な「行きたくなる」オフィスに変化していくでしょう。
