(※写真はイメージです/PIXTA)

新型コロナウイルスの感染拡大を機にテレワークが一般的になりました。本記事では、テレワークの種別や「リモートワーク」「在宅ワーク」との違いについて、国土交通省国土審議会委員や総務省地域情報化アドバイザーを務める、田澤由利氏の著書『改訂版 テレワーク本質論 企業・働く人・社会が幸せであり続ける「日本型テレワーク」のあり方』(幻冬舎メディアコンサルティング)より一部抜粋・再編集し詳しく解説します。

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テレワークの分類

国のホームページでは、テレワークをその形態によって、「在宅勤務」、「サテライトオフィス勤務」、「モバイル勤務」に分類しています。

 

「在宅勤務」は、社員が自宅で勤務すること。「サテライトオフィス勤務」は、「サテライトオフィス」と呼ばれる、普段働く場所以外に会社が認める(用意した)場所で勤務することです。1社で占有するオフィスの場合もあれば、シェアオフィス、コワーキングスペースなど、他社やフリーランスの人と共用するオフィスの場合もあります。「モバイル勤務」は、ノートパソコンやタブレット端末などを使って、移動中や外出先で仕事をするという形態です。

 

実は私は、この分類方法は、適切だと思っていません。テレワークは、「どこでも働ける」働き方であると考えているからです。仕事をする場所によって、その場所特有の「ルール」はあるとは思いますが、場所が違うからといって仕事の内容やツールの使い方が変わるわけではありません。

 

日本生産性本部の第15回「働く人の意識調査」のデータから、2024年7月時点での「直近1週間(営業日ベース)の週当たり出勤日数」を円グラフにしてみました。

 

出所:日本生産性本部第15 回「働く人の意識調査」
[図表5]テレワークをする人の週当たりの出勤日数 出所:日本生産性本部第15 回「働く人の意識調査」

 

このグラフをもとに、「テレワーク」を以下のように分類します。

 

非常時にテレワークを可能にする「緊急対応型テレワーク」

通常は、出社が基本ではあるが、自然災害や、コロナ禍のように、外的要因で社員が出社できない状況になったときに、対応できるテレワークです。日頃は実施していませんが、緊急時にすぐに対応するための準備や予行演習を実施します。

 

また、社員がケガをしたり、子どもがインフルエンザにかかったりした等、一時的にテレワークが必要になった場合に、会社として許可を出すケースもあります。

 

[図表5]のグラフでは、出勤日数「5日以上(24%)」の部分に含まれると考えられます。

 

出社とテレワークを組み合わせる「ハイブリッド型テレワーク」

出社とテレワークを組み合わせるタイプのテレワークです。「週1日在宅勤務」や「週1日出社」など、企業が規定を決めるケースもあれば、効率よく仕事ができる場所を社員が選んで仕事をする場合もあります。

 

コロナ禍が終わり、この「ハイブリッド型テレワーク」を実施する企業が増えました。

 

[図表5]のグラフでは、出勤日数「1~2日(26.8%)」「3~4日(33%)」の部分が該当します。テレワークをする人の約6割を占めます。

 

ほとんど毎日テレワークで勤務する「完全在宅勤務型テレワーク」

基本的な勤務場所が「自宅」で、ほとんど毎日、在宅勤務をするタイプのテレワークです。月に1回等の出勤日を設けている場合もありますが、面談や交流目的であることが多く、業務はすべてテレワークと考えてよいでしょう。

 

[図表5]のグラフでは、出勤日数「0日(16.2%)」の部分が該当します。

 

この3つの分類では、それぞれテレワーク時の仕事の内容や、会社が用意するツールや規定などが異なります。本記事では、将来的に「完全在宅勤務型テレワーク」も可能とする「ハイブリッド型テレワーク」にフォーカスして解説していきます。

 

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※本連載は、田澤由利氏の著書『改訂版 テレワーク本質論 企業・働く人・社会が幸せであり続ける「日本型テレワーク」のあり方』(幻冬舎メディアコンサルティング)より一部を抜粋・編集したものです。

改訂版 テレワーク本質論 企業・働く人・社会が幸せであり続ける「日本型テレワーク」のあり方

改訂版 テレワーク本質論 企業・働く人・社会が幸せであり続ける「日本型テレワーク」のあり方

田澤 由利

幻冬舎メディアコンサルティング

日本初のテレワーク専門コンサルティング会社を設立し、30年近くにわたり企業への導入を支援してきた第一人者の渾身の一冊『テレワーク本質論』。よくあるテレワーク指南書にとどまらずテレワークの本質的な価値とその可能性を…

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