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「立ち退くかどうか」「立退料はいくらか」のみを話すのではない
調停は「話し合いの場」ですので、「立ち退くかどうか」「立退料はいくらか」だけではなく、さまざまな解決策が考えられます。
たとえば、家主は子どもの卒業まで待っても本当に明け渡してくれるかどうか、不安に思っているかもしれません。そこで、卒業するまでは住み続けて卒業する年には確実に退去する、という内容であれば合意できるかもしれません。
ほかにも賃料を増額する代わりにしばらくは住み続けるという合意をすることも考えられます。あくまでも話し合いの場であることを意識して、双方が納得できる解決を目指してみましょう。
調停時に起こりがちな現象として「調停委員が敵に見える」というものがあります。上記のように、調停委員はそれぞれの話を聞いて他方に伝えています。これが、当事者の目線では、「相手の主張を鵜呑みにしてこちらに伝えてくる」「こちらの話は聞くだけで伝えてくれない」と感じてしまうことがあります。実際には、こちらの話も同じように相手に伝えているので、安心して調停委員に話すようにしましょう。
繰り返しになりますが、調停は話し合いのためのものです。主張を述べることは重要ですが、勝ち負けを目指すのではなく、双方が納得できる解決方法を探すことを目標にして進めていきましょう。
寺岡 健一
弁護士
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