(※写真はイメージです/PIXTA)

親が会社経営をしており、金融機関から事業用資金等、借入を行っている場合、親が亡くなったらその借金はどうなるのでしょうか。子どもにもその借金の返済義務があるのかどうか、気になる問題でしょう。そこで今回は、実際にココナラ法律相談のオンライン無料法律相談サービス「法律Q&A」によせられた質問をもとに、親の会社名義の借金に対する子どもの返済義務について、寺岡健一弁護士が解説します。

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いまのところ、会社を継ぐつもりはないが…

相談者は父親の借金の扱いについて悩んでいます。

 

具体的には、父親は株式会社の代表取締役社長であり、何年か前に会社の運転資金を会社名義で借り、連帯保証人は代表取締役社長になっています。会社役員には父親の弟(叔父)が就任しています。父親の死亡後は、役員である叔父も相談者も、いまのところ会社を継ぐ予定はありません。

 

そのようななかで、相談者はネットで「借金も相続することになる」といった内容の記事を読みました。相談者の母親はすでに亡くなっていることもあり、「母親はいないし、自分が借金を返済しなければならないのか。役員である叔父は返済義務を負わないのか」などと考えています。なお父親はそのほかに、個人名義で家や車のローンを借りています。

 

そこで、ココナラ法律相談「法律Q&A」に次の3点について相談しました。

 

(1)相談者が会社名義の借金を返済しないといけないのか。叔父に払ってもらうことはできないのか。

(2)相談者が借金を引き継がなくてよい方法はあるのか。

(3)仮に相談者が会社を継ぐことになった場合、会社名義の借金を負担することになるのか。負担しなくてよい方法はあるのか。

「経営者」であるだけでは会社の借金を返済する義務はないが…

ご家族が会社を経営していたりして借金がある場合、ご自身がそれを引き継ぐのではないかと不安になりますね。このような場合について、いくつか誤解されている点があるので解説します。

 

借金があるからといって会社が赤字とは限らない

会社の経営においては、会社が黒字であったり会社自体に十分な財産があったりしても、借金をしていることはめずらしくありません。誰もが知っているような上場企業などであっても大きな金額の借金を抱えていることは往々にしてあります。

 

このため、会社の財産で借金を返してもお金が余るという可能性は十分にあり得るでしょう。

 

会社と経営者は別人である

会社と経営者(社長、代表取締役、役員など)、株主などは法律上まったくの別人です。このため、会社に借金があっても経営者や株主などが借金を返す義務はありません(逆に経営者が会社のお金を自由に使うこともできません)。ただし、連帯保証人になっている場合には連帯保証契約に基づいて借金を返済する義務が発生します。

 

これを踏まえてご相談について順番に考えてみましょう。

 

 

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