銀行員は融資の際、企業の「営業利益」を重視
元銀行マンが書いた小説をもとに、銀行融資を題材に描くドラマ「半沢直樹」が、高い視聴率を取りました。銀行の体質がいろいろ描かれ、私も楽しく拝見しました。見ていると、銀行融資にも様々な思惑がある、ということがわかります。
日頃、実際の決算書を見ていても、「なぜこの企業にこれだけ貸すのだろうか?」と、理解できない場合もあるのです。
とはいえ、融資実務の基本があるのも事実です。銀行マンを対象にした、融資実務のマニュアル本などを読むと、その基本が見えてきます。
①損益計算書の一番のポイントは、「営業利益」
何かにつけて、出てくるのは、「経常利益」でなく、「営業利益」なのです。
「損益計算書の一番のポイントは、「営業利益」です」
「営業利益は、本業で利益が出るかどうかの判断材料です」
とあり、「まず、ここを見なさい!」と記されています。
だから、私たちは、「営業利益が大きくなるようにしなさい!」と言うのです。
営業利益を増やすことは「簡単」!?
営業外収益があっても、営業利益には影響しません。どうせなら、売上高に計上してほしいのです。そのほうが、営業利益が大きくなります。
退職金や弁護士費用、その年度だけの特別な経費など、一般管理費でなく、特別損失で計上してほしいのです。そのほうが、営業利益が大きくなります。
どうすれば営業利益が大きくなるか。これが、銀行調達対策の第一歩、なのです。しかもこれは、「どの科目で計上するのか」ということだけです。すぐできるのです。
しかし、企業側にも、3つのパターンがあります。
①こんなことを知らない企業
②知っているけど、実行していない企業
③知っていて、実行している企業
やはり、③の企業であってほしいのです。
参考図書:『わかりやすい融資実務マニュアル』(商事法務)
著者:黒木正人