今回は、「財務改善」で起こる銀行側の態度の変化を見ていきます。※本連載では、現場での実務経験豊富な経営コンサルタントである著者が、銀行交渉の成功事例、融資を受けるために知っておきたい銀行の内部事情などを紹介します。

担当が「平社員」から「支店長」へとあからさまに変化

心理学の世界では、「自分が変われば、相手も変わる」と言います。同様に、企業の場合は、「財務が変われば、銀行も変わる」なのです。

 

ある企業のことです。借入金を繰上返済し、少人数私募債を運用しました。なんのことはない、繰上返済できるだけの、余分な現金があったのです。

 

返済すれば、その分、総資産は縮まります。さらに、少人数私募債を導入しました。それらの手立てによって、銀行評価の自己資本比率が、一気に向上したのです。

 

「いやぁ、変わるもんですねえ・・・」

と経営者が言います。

 

「何が変わったんですか?」

と、私は尋ねました。

 

「銀行から来る人が変わりました! これまで平社員が来てましたが、支店長しか来なくなりましたよ」

とのことです。

 

そろって大笑いです。わかりやすいというか、なんというか・・・。

銀行から「借りてください」とお願いされる有利な立場へ

おそらく、融資先の格付けにおいて、最上位となる“正常先”の中でも、その支店においては、上位のクラスに入ったのでしょうね。支店長自ら、営業に来る日々が続いているそうです。

 

つまり、「どうか借りてください」という、銀行に対して、有利な立場となったのです。

 

それはやはり、財務が変わったからに他なりません。銀行に対して強くなりたいなら、財務改善を進めれば良いのです。

本連載は、株式会社アイ・シー・オーコンサルティングの代表取締役・古山喜章氏のブログ『ICO 経営道場』から抜粋・再編集したものです。その後の税制改正等、最新の内容には対応していない可能性もございますので、あらかじめご了承ください。ブログはこちらから⇒http://icoconsul.cocolog-nifty.com/blog/

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