60代、定年が近いので見直し
成浩さんは60代で現役サラリーマンです。定年が近いため、今後のことを考えておきたいとご相談がありました。6年前に父親が亡くなり、成浩さんが自宅と駐車場、貸店舗を相続しています。
ほかにも自分で購入した家を賃貸しており、不動産は4カ所あります。成浩さんの相続人は妻と3人の子どもで基礎控除は5,400万円です。
相続税が1,000万円以上
駐車場の土地は200坪あり、それだけで1億円の評価になります。他の不動産と預金を合わせると財産は1億5,000万円となり、相続税は1,300万円と試算されました。
配偶者の税額軽減を適用すれば、一次相続での納税は不要となりますが、二次相続では納税が必要になるので、成浩さんはそれが不安だということです。
駐車場は固定資産税が高い
駐車場の収入は月額30万円、固定資産税は年額100万円です。賃料の4カ月分は固定資産税の支払いに充てるため手元には残せません。駐車場の収入が減るとなおさら固定資産税の支払いが負担になります。
しかし、これからの時代、駐車場の収入が増えることも期待薄です。土地活用をしてマンションを建てる案もありますが、立地や環境から判断をするとマンションを建てる立地ではないという判断となりました。
そうなると、このまま持ち続けても根本的な解決にはならないことは明白です。
貸店舗も課題
貸店舗の土地は借地で地代の支払いが必要ですが、地代を払っても受け取る家賃の3分の2は手元に残ります。
しかし、建物が老朽化していること、賃借人が高齢で次の契約更新はしないと言っていることから、2年後には空室になります。
そうなると次の賃借人がすぐに決まるとは限らず、地代が持ち出しとなるため、このことも不安材料であるといいます。
課題のある不動産は資産組み替えが妥当
広くて効率がよくない駐車場は売却し、区分マンションなどの土地の面積が小さいものに買い替えていくことがおすすめの対策となります。
また、借地権の貸家のおすすめの対策は、賃貸物件として売却後に新しいものに買い替えていくことです。
成浩さんもその案に同意され、これから売却していくことになりました。土地の面積を小さくすることで評価を下げ、節税することができます。
相続実務士のアドバイス
●できる対策
・駐車場を売却して、別の賃貸物件に買い替える。
・借地権の貸家は賃貸物件として売却、別の物件に買い替える。
●注意ポイント
・広い土地を所有し続けても相続税は下がらない。
・賃貸事業に向かない立地、環境の土地には無理に土地活用をせず、売却が妥当だと判断する。
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