「大失敗だった」マネックス証券チーフ・ストラテジストの4月時点〈ポートフォリオ〉の中身→5月の戦略は?

「大失敗だった」マネックス証券チーフ・ストラテジストの4月時点〈ポートフォリオ〉の中身→5月の戦略は?
(※写真はイメージです/PIXTA)

本記事は、マネックス証券株式会社が2025年5月1日に公開したレポートを転載したものです。

本記事のポイント

・運用開始以来10ヵ月の累積リターンは約10%

・5月の戦略ポートフォリオを公開

運用開始以来10ヵ月の累積リターンは約10%

4月のパフォーマンスはベンチマークを大幅にアウトパフォームした。運用開始以来10ヵ月の累積リターンは約10%に達し、この間マイナス3%に沈んでいる市場との差は13%にもおよんでいる。

 

4月の株式相場を振り返ると、トランプ関税に振り回されて記録的な乱高下となったことが記憶に新しいが、そのような環境下でこれだけのリターンを記録したことは、もちろん偶然ではない。

 

2024年の7月は日経平均が過去最高値をつけた直後に急落する波乱の展開だった。翌月の8月には「令和のブラックマンデー」と呼ばれた急落劇があった。2025年2月も円高の影響や米国の追加関税をめぐる不安から日経平均が月間で2,400円余り下落した。ベンチマークのTOPIX500も4%近い下げとなっている。それらのときにも3.69%、2.75%、2.42%と大幅にアウトパフォームしている。これで波乱相場に強いという実績がおわかりいただけると思う。

 

しかも2024年8月や今年2025年の2月は市場が大きく下げるなかで、当ポートフォリオはそれほど下げずにダウンサイドの抵抗力で勝ったが、2024年7月や2025年4月のように市場が荒れても最終的にプラスのリターンになるような相場では、市場を大きく上回るプラスのリターンをあげてアウトパフォームしている。

 

出所:QUICK社データより筆者作成
[図表1]パフォーマンス推移 出所:QUICK社データより筆者作成

 

ではなぜ波乱相場に強いのか。鍵はファクター戦略の分散とその組み合わせにある。たとえばこの4月のトップパフォーマーは神戸物産(3038)とコスモス薬品(3349)、これらは確かにトランプ関税からほど遠い内需の小売り株だ。

 

しかし、そのような観点で選んだわけではない。CCC(キャッシュ・コンバージョン・サイクル)というファクターで入ってきた銘柄だ。CCCとは、企業が原材料や商品仕入などへ現金を投入してから最終的に現金化されるまでの日数を示し、資金効率を見るための指標である。日数が短いほどキャッシュが効率的に運用されていることを表している。このような不安要素が蔓延しているような相場では、現金商売の強みが評価されるということだ。

 

五洋建設(1893)などWGMVファクターも引き続き効果がある。イズミ(8273)などもそれなりに堅調である。
 

 

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