遺族年金の少なさに驚愕
貯金がないことが分かったのと合わせて、Aさんを驚愕させたことがありました。それは年金制度の厳しさです。
貯金が少ない以上、年金に頼らざるを得ませんが、Aさん自身の年金は6万円強、夫の遺族年金は8万円弱。合計14万円程度でした。
マンションの住宅ローンは残りはあと3年。管理費と修繕積立金の支払い、それに加えて、光熱費、食費、日用品。これから増えていくであろう医療費や介護費のこと、そして長生きをする可能性を考えると、「これだけあれば十分」とはとても思えませんでした。
貯金と遺族年金の少なさに、これまで夫頼りだったAさんは震えました。しかし、結果として住宅ローンの残債は団信(団体信用保険)により支払い免除に。
「本当に助かりました。でも、たった一人でこの家は広すぎます。お金がなくて心細いですし、売って娘の家の近くのアパートに引っ越そうかと考えているところです。老人でも住まわせてくれたらいいのですが……」
「配偶者頼り」「遺族年金頼り」は危険
夫婦でもすべてを共有しているとは限らず、配偶者の収入について把握していない人は少なくありません。Aさんのように専業主婦で夫の収入を知らないパターンもあれば、夫婦共働きで月々決まった生活費を出し合い、残りは自分たちで管理し、双方の収入を知らないというパターンも。
うまく管理し続けられるとよいのですが、片方が病気になった、亡くなったといった時に相手の資産状況がわからないと混乱しますし、ふたを開けてみたら「お金がなかった」となれば、生活が立ち行かなくなる可能性もあります。
また、遺族年金の実態についても知っておくべきです。遺族基礎年金は、18歳未満の子どもがいる配偶者に支給されるもので、Aさんのように子どもが成人している場合は対象外です。
さらに、遺族厚生年金は、亡くなった人の老齢厚生年金の4分の3が支給されますが、金額全体の4分の3ではなく、かなり少ない額になることがあります。
こうしたことから、「配偶者頼り」「遺族年金頼り」にしてしまうことは危険です。お金のことは聞きづらくて……そう放っておかずに、しっかりと話し合い、共有して、万が一の事態に備えておきましょう。
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