教育現場でも生成AI活用は大きなテーマに
「ChatGPT」をはじめとする生成AIの普及に伴って、文部科学省は2024年12月、小学校から高校までを対象にした生成AIの最新ガイドラインを発表しました。このガイドラインには、学校で安全かつ効果的に生成AIを活用するポイントやリスク対策などが盛り込まれています。
さらに2023年度からは、「生成AIパイロット校」を全国の学校から募集し、授業や校務などに生成AIをどのように取り入れるか、実証を始めました。小学校低学年では、生成AIで音楽を作成したり、理科の実験でアドバイザー的に生成AIを活用したりと、さまざまな学びが展開されています。
一方の大人たちは、最初の生成AIブームが落ち着いて以降、「生成AIを積極的に使う人」「まったく使わない人」の二極化が進んでいます。特に保護者からは、「子どもが生成AIに頼りきりになって、考える力が弱くなってしまうのでは」といった心配の声も聴きます。
では、「AI時代」と呼ばれる未来に向けて、保護者はどのように生成AIに向き合っていけばよいのでしょうか。
「生成AIは子どもの優秀な家庭教師になり得る」
中高生向けプログラミングキャンプ・スクールを運営する「ライフイズテック」取締役で最高AI教育責任者を務める讃井康智さん(写真1)は、「生成AIは、子どもに伴走してくれる優秀な家庭教師になり得ます」と話します。
そのひとつがプログラミング教育です。ライフイズテックでは、プログラミングや生成AI、アート・デザインなどを夏休みや春休みに学べる「IT・プログラミングキャンプ」を開催しています。「2023年から始まった『AIクリエイティブコース』は、ゲームプログラミングコースの次に受講者が多い人気講座となっています」と讃井さん。
「このコースの最大の特長は、開発スピードが圧倒的に早いということです。これまでは完成に10日間以上かかっていたような作品が、生成AIを使えば短時間で完成します。参加者はそこから自分なりのアレンジや工夫を加えて、作品をさらに作り込むことができるので、自己肯定感を得やすいというデータも出ています」
このように生成AIは使い方次第で、子どもたちに成功体験を積ませる、有効なツールになり得るのです。